ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
7月12日放送内容(放送内容 資料はこちら)
ニキビは青春のシンボルともいわれています。中学生以上の方でしたら、だれでもニキビの一つや二つ、できたことがあると思います。これを、思春期ニキビといいます。
一方、20代から40歳すぎになってもニキビで悩まされている方も多くいらっしゃいます。それはまさに大人ニキビです。
一つが二つ、そしてあっという間に10個以上と、ふと気づくとどんどん増えてしまったり、ちっとも治らずシミやにきび跡ができてしまったりと、実はニキビの悩みはとても深刻です。今回は、まずニキビの原因とメカニズムについてお話ししたいと思います。
ニキビの原因の一つは、男性ホルモンが増えることで顔の皮脂の分泌が多くなること、そしてもう一つが皮膚の乾燥により毛穴が詰まること、この二つがきっかけとなります。
小学校高学年以上になると、男の子も女の子も性ホルモンの一つである男性ホルモンが増え、毛穴から皮脂が出始め、脂っぽい肌になっていきます。さらに大人になると、乾燥も加わり、にきびが治りにくくなります。
ニキビは、まず毛穴が皮脂で詰まり始めた微小面ぽうからスタートします。
プツっとふくらんだ白ニキビ、角質や皮脂が毛穴の表面をふさいで黒く見える黒ニキビができてきます。さらに、アクネ菌が増えて炎症を起こすと赤ニキビとなり、そのまま放置すると、膿が毛穴にたまった膿疱、大きく腫れて痛みも伴う膿腫や固くしこりができてしまう結節という、とても重篤な症状になることがあります。
アクネ菌は常在菌で、皮膚表面にみんな持っている菌ですが、脂が多いと増えて炎症を起こす性質がありますので、早めにアクネ菌を減らして炎症を鎮める治療が必要となります。
7月19日放送内容(放送内容 資料はこちら)
ニキビ対策と治療についてお話します。
ニキビができないようにするためには、生活習慣も重要です。
夜は何時に寝ますか?
お肌をきれいにするゴールデンタイムは、夜10時から夜中の2時の睡眠です。12時前には寝ましょう。
自分の癖もチェックします。鏡で自分のお顔を見ますか?ニキビを触ったりつぶしたりしませんか?
ニキビを触ったりつぶしたりしては、絶対ダメです。鏡を見るとつい触りたくなりますので「見ない・触らない」ことがとても大切です。
お化粧は、ニキビがあってもできます。ただその際には、ノンコメドジェニックというニキビができにくい化粧品を選んでください。ベースのファンデーションはパウダータイプを選んで、アイメイクや口紅などのポイントメイクを濃い目に入れると、きれいに見えます。
ニキビ用のお薬は、市販でも販売されています。皮膚科では、ニキビの症状に応じたきめ細かな治療を、保険適応で行うことができます。治療の基本は、塗る薬と飲み薬です。
塗り薬は、毛穴の詰まりを取り除くアタパレン、アクネ菌を減らしながら毛穴の詰まりを改善する過酸化ベンゾイル、アクネ菌をやっつける抗生物質などがあります。ニキビを早く治すだけでなく、ニキビ跡をできにくくする効果もありますので、ニキビができ始めたら早めに使用することをお勧めします。
飲み薬は、皮脂の分泌を調整するビタミンB2やB6、アクネ菌をおさえる抗生物質、体質改善として漢方薬を使用することもあります。
ニキビの治療は、最低3ヶ月間は必要です。根気よく続けることで、きれいな肌を取り戻すことができますので、皮膚科の先生とよく相談をしながら、頑張ってほしいと思います。