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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

よく眠れていますか?

2018年11月15日放送2018年11月22日放送

2018年11月15日放送

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2018年11月22日放送

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11月15日放送内容(放送内容 資料はこちら

昔から健康の条件として、快食、快眠、快便といわれていますが、今日は「眠り」にまつわるさまざまなお話しをさせていただきます。

眠りは、一日のうちに頭の中にはいってきた数え切れないくらい沢山の情報を処理し、脳の疲労を回復させるために大変重要なものと考えられています。
良い眠りの特徴として、寝付きがよく、途中で目が覚めることなく、目覚めがスッキリしているの三つがあげられます。そのいずれかに問題があると、脳の疲労が蓄積し健康が損なわれてきます。

まずは、寝付きについてのお話です。
次の日に大きなイベントが待っているとわくわくして眠れなかったり、心配事があると考え込んでしまいなかなか寝付けなかったりすることは誰しも経験することです。床についても脳が興奮していて眠りの体制に入れないことが原因です。
大抵は一過性のものなので困ることはそんなにありませんが、これが長く続けば日常生活に支障が出ます。
脳を興奮させる刺激には、コーヒー、濃い緑茶、栄養ドリンク、エナジードリンクに含まれるカフェイン、タバコなどがあげられます。元気になりたい、スッキリしたいと思って床につくちょっと前にこうしたものを体にいれますと、なかなか寝付くことができません。
また、テレビ、ラジオ、パソコン、スマートフォン、読書なども脳を興奮させるため寝付きが悪くなることが知られています。よく、眠れないので、寝室でテレビやラジオを付けっぱなしにするという話を聞きますが、全くの逆効果です。寝付きの悪いかたは、寝室にはこれらのものを持ち込まないようにしてみましょう。

ところで、寝付きをよくするためにアルコールを摂取される方もいらっしゃると思いますが、寝付きはよく感じても、深い眠りにならず、眠りの質を落としてしまうことがわかっています。その結果、期待するほど脳が休まらないので、翌朝の目覚めはスッキリとはしないものです。
眠りと生活習慣はとても深い関係にあるのです。

11月22日放送内容(放送内容 資料はこちら

二日目の今回は、眠りに関わる病気のお話です。

長期間にわたって寝付きが悪く、夜中に途中で目が覚めて、そのあと寝付けない場合は注意が必要です。
なんとも言えない不安が襲う、気分の落ち込みや物事を楽しめない、あるいは食欲低下などの症状を伴っていたり、アルコールを摂取しないと寝付けないときは、いち早くかかりつけ医を受診しましょう。
単に眠れないことが問題なのではなく、不安障害やうつ病、アルコール依存症といった病気の症状の一つである可能性があるからです。

また、寝付きもよく途中で目が覚めることはないけれども、朝起きてもスッキリせず、頭が重かったり、午後になると睡魔が襲い知らないうちに眠り込んでしまう方がおられます。
これは睡眠中に低酸素状態に陥る睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、乗り物や機械の運転をされている方の居眠り事故の原因として社会問題にもなりました。
なかには高血圧を指摘され長年治療しているが、なかなか薬を飲んでも血圧が下がらない、難治性高血圧症の原因となっている場合もあります。最近、糖尿病との関連も指摘されています。
睡眠により空気の通り道が狭くなっていびきをかく人が多いので、隣で寝ている方に「いびきがうるさくないか?」尋ねてみるとよいでしょう。

また、居眠りがやけに多く、喜び、怒り、悲しみ、楽しいなどの急な感情の変化があると、体の力が抜けて崩れ落ちてしまう方がおられます。これはナルコレプシーという睡眠関連の異常です。
さらに夢を見ながら夢の通りに体が動いてしまう場合は、レム睡眠行動異常症といって、脳の病気の初期症状である場合があります。
こうした症状がありましたら、ご自身の中で抱え込まずにかかりつけ医に相談するようにしてください。

「寝付きがわるいから」、「途中で目が覚めるから」だから「睡眠薬を処方」こんな時代は終わりました。
皆さんから適切にお話しを伺えば、訓練されたプライマリ・ケア医はたちどころに思いもよらぬ病気を診断し、健康に導いてくれることでしょう。

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