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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

予防が大切 脳卒中

2018年12月13日放送2018年12月20日放送

2018年12月13日放送

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2018年12月20日放送

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12月13日放送内容(放送内容 資料はこちら

脳卒中は、突然血管が詰まったり破れたりする病気で、現在がん、心臓病に次いで我が国の死亡原因の3位となっています。

血管が破れるタイプに、脳内出血とくも膜下出血があり、詰まるタイプが脳梗塞です。
血管内治療などの新しい治療法や新規薬剤が開発され、MRIなどの検査機器の発達による早期発見が可能となり、治療成績はかなり良くなってきています。しかしながら、脳卒中は依然として寝たきりの原因の1位を占め、「後遺症、介護」など大変なイメージがつきまとうのも現状です。

やはり、脳卒中になってからの治療より、なる前の予防が重要であり、不幸にして脳卒中になってしまった場合は、再発予防のための予防的治療が大切です。
ではどうすれば脳卒中を予防できるでしょうか。

予防のためには脳卒中の危険因子、つまり脳卒中の原因を把握し対策を立てることに尽きます。
脳卒中の主な危険因子には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などの不整脈のほか、喫煙や肥満があげられます。

まずは血圧の管理です。脳卒中は血圧の高い人に起こりやすい疾患です。そして、乱れた生活習慣の見直しが不可欠です。タバコは血液をドロドロにして、血圧を上げ、血管を傷つけます。禁煙は脳卒中予防の前提条件です。
塩分や脂肪分の取りすぎに注意し、アルコールの飲みすぎや運動不足、太りすぎにも注意が必要です。
また、脱水に対する水分補給も大切です。

一に運動、二に食事、しっかり禁煙、最後に薬。これが脳卒中予防の近道です。
また、脳卒中の症状を正しく理解していることが予防の最終ラインと言えます。
次回は、脳卒中の危険因子について、もう少し踏み込み、症状についてもお話しします。

12月20日放送内容(放送内容 資料はこちら

前回は、脳卒中の予防に危険因子の管理と生活習慣の是正が大切であることをお伝えしました。
今回は、これらについてもう少し踏み込み、最後に脳卒中の症状についても触れてみたいと思います。

血圧・脂質・血糖の管理目標値は、それぞれの学会からのガイドラインを参考に設定されています。
現時点では、血圧は140/90mmHg未満、但し家庭で測る血圧では少し厳しく135/85mmHg未満。悪玉といわれるLDLコレステロールは140 mg/dl未満、血糖正常化を目指す際の指標としてはヘモグロビンA1cが6.0%未満とされています。
ただし、年齢や危険因子の重なり、低血糖発作の有無や再発予防かどうかによって目標値が少しずつ異なるため、かかりつけの医師にご相談いただくのが確実です。

また、塩分は1日10g未満、すでに高血圧の人は6gを目指してください。
禁煙するのに遅過ぎはなく、5年から10年禁煙すると脳卒中のリスクは非喫煙者と同等にまで下がります。
アルコール摂取量は1日、日本酒1合相当までで、これ以上の摂取は害になります。
熱中症になりやすい夏の時期はしっかり水分補給を。ただし夜間排尿の増加や心不全を誘発する方は飲み過ぎに注意が必要です。ウォーキングの目安は1日30分程度です。

また、薬については、自己判断で薬の量を調節したり内服をやめてしまうことは最も危険なことです。

最後に脳梗塞の症状です。
片側の顔面が下がる、片側の手足が動かない、痺れる、言葉が出ない、呂律不良、片目が見えない、物が二重に見える、それに視野の半分が欠けるといった症状が挙げられます。余裕があれば脈を見ることもおすすめです。
「顔・腕・言葉ですぐ受診」と覚えてください。

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