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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

注意したい脱毛症

2019年2月7日放送2019年2月14日放送

2019年2月7日放送

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2019年2月14日放送

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円形脱毛症、男性型脱毛症、抜毛症(放送内容 資料はこちら

脱毛をきたす疾患としてよく診られるのは、円形脱毛症、男性型脱毛症、抜毛症です。

まず円形脱毛症ですが、頭髪をはじめとする全身どの部位にも起こりうる疾患で、毛髪が円形に抜ける脱毛症です。
一般的にストレスが原因と思われがちですが、インフルエンザが発症のきっかけとなる場合や、原因が不明の場合もありますが、現在は自己免疫疾患の1つといわれています。
脱毛の部位が1か所のみの場合は自然回復もあり得ますが、数か所以上に拡大したり、頭部全体、あるいは全身の毛髪が脱落することもあり、その場合は治療が必要になります。治療法には様々なものがありますので、皮膚科に受診をしてください。

次に男性型脱毛症ですが、これは中年以降の男性の前頭部や頭頂部の毛髪が次第に細くなり次第に失われる、ゆっくり進行する脱毛症です。全男性のおよそ1/3に発症するといわれております。
発症には男性ホルモンが関与していることがわかっており、現在では、育毛剤やミノキシジルの外用、5α還元酵素阻害剤の内服など脱毛の進行を食い止める有効な治療法があります。

3つ目として抜毛症をとりあげます。これはストレスにより自身の髪の毛を抜いてしまう疾患で、思春期の男女に多く発症します。ストレスの原因は学校や家庭での親子・兄弟関係にある場合が半々であるといわれています。
ストレスの要因を明確にし、その対処法を学校や家族とともに考える必要があります。また髪の毛を触ることが癖になっている場合が多いため、帽子をかぶったり、バンダナを巻いたりと髪の毛に触らないようにする習慣づけも大切になります。

様々な要因で起こる脱毛症(放送内容 資料はこちら

前回お話した疾患以外でも様々な疾患で毛髪は抜けます。
全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群などの膠原病、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症といった内分泌疾患。さらには慢性腎不全で透析を受けている方にも脱毛は見られます。
頭部に生じた白癬も毛髪に白癬菌が感染すると脱毛を生じ、治療が行われないと瘢痕を生じることもあります。
そして貧血や亜鉛欠乏などの極度の栄養障害でも毛髪がもろくなり、脱毛につながります。したがって、ファーストフードやインスタント食品ばかり食べずにバランスの良い食事をとることが大切です。

また意外と知られていませんが、薬が原因となる脱毛もあります。
代表的なものとしては三環系抗うつ薬がありますが、ある種の鎮痛剤や胃薬も脱毛の要因となることがありますので、脱毛を来す要因が見つからない場合には自身が内服している薬の内容を確認してみることも必要となります。

最近多いのは髪の毛をケアしすぎるために生じる脱毛です。頭髪の洗い過ぎやこすり過ぎ、またドライヤーを必要以上にあて過ぎると、頭皮が乾燥しダメージを受けます。その際に頭皮には細かい皮が付着しますが、これを不潔にしているためにフケが出ていると勘違いし、さらに頭皮、頭髪を洗い過ぎてダメージが強くなり、結果として脱毛を生じるということがあります。
おしゃれのために行う毛染めやパーマも頻繁に行い過ぎると、接触皮膚炎を生じるリスクが高まったり、頭皮にダメージが生じることになり、結果として脱毛症を生じることがあります。
何事もやり過ぎは頭皮や頭髪のダメージにつながることを覚えておいて欲しいと思います。

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