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上手に医師にかかるコツ

2017年11月16日放送2017年11月23日放送

2017年11月16日放送

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2017年11月23日放送

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11月16日放送内容(放送内容 資料はこちら

今日は上手に医師にかかるコツをお話しします。
昨今、医療系ドラマやバラエティ番組など、「名医の見立て」に皆さんも目を奪われていらっしゃるのではないでしょうか。
「見立て」とは「診断」のことです。「見立て」が悪いと、その後の治療がうまくいきません。ですから、われわれ医師は初めてお伺いする健康問題については「正確な診断」を行うために全身全霊をかけています。
1992年にPetersonらはその研究により、診断は医療面接による病歴がその76%を占め、医師の身体診察が12%、検査は11%を占めるにすぎないと発表しました。21世紀、人工知能が囲碁や将棋の世界を席巻する時代になっても、この研究結果を凌駕するものはいまだありません。
また、診断の科学性は1950年代に登場したベイズ統計学にその根拠をおいており、最初の見積もりに検査の結果を掛け合わせてその病気である確率を計算するものとされています。この考え方は人工知能の開発にも応用されています。先程お話ししたとおり、医療面接で得られる病歴から担当医が見積もりを出し、そして適切な検査を行って最終的な見立てが行われるのですから、いかに、担当医師の丁寧な問診が重要であるかがおわかりいただけると思います。
健康問題で気になることが生じたら、ご自身だけでなく、夫や妻、こどもたち、両親のことまでよくわかっているかかりつけの医師があれば、とてもリラックスできて、良い医療面接ができ、見立ても正確になるのです。
つまり、まずは、心から信頼できるかかりつけ医をつくること、これが上手に医師にかかるコツの一つです。

11月23日放送内容(放送内容 資料はこちら

前回は、正しい診断を受けるためには、医療面接から得られる病歴が重要であるとお話ししました。
それでは、患者さんとして、医療面接をうけるには何に気をつければよいのでしょうか?
答えは一つです。「ご自分の体に起こったことをありのままお話しいただく。」と言うことですね。医師は常々、患者さんの体に「実際に起こったこと」を「その健康問題特有の病歴」として聞き取るよう心がけています。
ところが、患者さんのお話しの中で「つじつまが合わないな」と思うことが多々あります。そんなときは、さらに突っ込んだ質問をさせていただきます。
「ご自身の意志ではなく、家族に言われて受診したのではないですか。」「テレビの健康番組の影響ではありませんか?」「有名な先生がおっしゃったことやインターネットで調べたことを自分のことと鵜呑みにしていませんか?」といった具合です。「実際の症状」ではないことをあたかも「ご自身の症状」としてお話しされていることがよくあります。
もし、これを医師が信じてしまったら、偽の病歴が判断の78%を占めるわけです。誤った見積もりがなされ、たとえ検査をするにしても、どんなに優秀な医師でも誤診に向かってしまいますし、余計な検査を受けて、被曝量が増えたり、医療費の無駄な増加を引き起こし、将来的な医療費の高騰に一役買ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
むしろ、「私はこんな症状がいついつからあって、たまたまTVを見ていたらこんなことをいっていたけど、不安になってしまって。」と素直にお話ししていただければ、医師はその不安に適切に応え、あなたに本当に必要な検査を示し、正しい見立てをしてくれます。
こんな不安もかかりつけ医であれば気軽に相談できますね。
診断はよりよい治療へのスタート地点です。どうぞ、「ご自身の症状」をお話しください。

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