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その6:若い女性医師の将来像

コユリ:はじめまして。コユリです。関内桜子先生ですね。

桜子先生:はじめまして、桜子です。(今度は若い先生。この先生も色白できれいだし。すらっとして痩せているけど、決して、激務にやつれているってふうではないし。いいなあ。印象としてはクールかな。浜子先生がまだ結婚していない先生にも聞いたらどうかと紹介してくれた若手だ。どんなことが聞けるのだろう。)

コユリ:先生の女性医師としての姿を取材させていただきたいのですが。

桜子先生:それでは、今後の自分の理想についてお話させて頂きます。私は大学院に進学することになっています。できれば、年齢のこともありますから、院生の間に結婚、出産が出来ればいいなと目論んでいますが全く予定はありません。結婚したら、私の両親は高齢のため、子育てを頼むのは少し負担が大きいと考えています。そのため産後1、2年は仕事をしないで育児に専念するつもりです。その後はベビーシッターを頼むか、保育園に預けるかして、まずは外来だけやらせて頂ける病院を探して仕事復帰しようと思います。
もし夫に充分な収入があり、共働きを好まない人であれば、家庭に入ることもあるかもしれませんが。

コユリ:ご家庭に入ってしまうんですかぁ?!(クールな答えに思わず、声が上ずってしまった。神奈江先生が聞いたら、どんなことになるだろう。)

桜子先生:ただ、どんなに亭主関白の人でも、なんとか交渉して自分の希望としては、週数回の外来くらいはやらせてもらいたいなと思います。出産のタイミングによっては専門医の資格をとるのが遅れるかもしれませんが仕方ないです。子供が小学生くらいになったら、病棟業務も出来ると思いますが、それでも学童を使わないといけないと思います。

コユリ:でも桜子先生、せっかくお勉強してお医者さんになったのに、その力を使わない手はないのでは?

桜子先生:そうですね。もちろん使いたいですが、現状、保育園は待機、家事は自前。たとえ夫が半分やってくれるとしても、もし年取った夫だったら、かわいそうじゃあありませんか。アウトソーシングを完全に使えればいいですが、出費は大きいですから、私が生きがいのために医者を続けることに非常に理解があって、そのためにお金を出してくれるぐらいの人が夫で、しかも、私がいなくても掃除や洗濯をしてくれる、信頼のおける人が家事をヘルプしてくれるような、そんな条件が必要になります。家事代行業の人は、炊事するひとは炊事だけ、掃除の人は掃除だけ、えっと、洗濯は誰がやるんだっけな。いずれにしろ、誰か家にいないと来てくれないし。もし、私がフルタイムで働き、年上の夫に無理をさせないようにするには、鍵を預けられるような、気心の知れた人がいないといけないんですよ。そんな人、心当たりないしなあー。

コユリ:そうか。たしかに。

桜子先生:子供が中学、高校くらいになったらそれなりに仕事に時間を自由に使えると思います。以上の自分の考えでは、まず遅くまで預かってくれる保育園と学童保育が必要です。学童は充実しているかどうかわかりませんし、運営を父母に頼っているところもあるようです。仕事をしているから学童保育を使うのに、運営に参加しなければならないのでは、本末転倒になりかねません。

コユリ:そ、そ、そ、そうですね。(桜子先生の速いペースにただただ驚くばかりになってしまった。しかし、確かにそうなのだ。つけ入る隙もない理論構築!)

桜子先生:ただ、子供が病気になった時に仕事を休むことになるのはやむをえないし、またあらかじめ予測は出来ないことなので、それはどうしたらいいのかなと思います。ワークシェアリングの制度があれば、そういう時に少し安心かもしれませんが、都合がバッティングしないとも限らない。しかも、この仕事をぶつぶつ、ぶつ切りにしてうまくいくかどうか。重症患者さんは継続的な診療を要しますからね。時間で交代して治療に当たるなんて、現実的ではないし。病状を申し送りしている間に時間が終わってしまいます。以上が現時点で自分が考えている将来像ですが、結婚相手次第でかなり状況は変わってしまうと思います。
また、実際に子育てしてみないとわからないことも多いと思うので、あまり参考にならないかもしれません。曖昧で申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

コユリ:あ、あ、あ、ありがとうございます。クール!!!

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