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その8:若い女性医師の将来像、もう一つ

コユリ:こんにちは、コユリです。
(このあたりで、私は女性医師取材にもずいぶん慣れてきた。っていうか、女性医師は特別な存在ではなく、私と同じように悩んだり、喜んだり、結婚したかったり、そんな女性だということがわかってきたのだ。しかし、やはり、女性がフルタイムで働こうとして、かなり悩んでいることは確かだ。今日の南先生は独身の若い女性医師で、桜子先生と同級生だ。しかし、違ったタイプだと浜子先生は言っていた。見た目も確かに違う。小柄で、大きな目をキラキラさせている。みなみ先生にとって記者は初めての人種なんだろう。私のことを警戒するコリスのように木の穴から見ているみたいだ。こわくないよ!)

みなみ先生:山手みなみです。卒後3年、研修終わったばかりです。私は結婚もしておらず、子育てもしていないので、いろいろ甘く考えている部分もあると思いますがお許しください。

コユリ:お許しだなんて、とんでもない。お忙しいのにすみません。でもぜひ、女性医師、特に若い先生のご意見を伺いたいと思いまして。

みなみ先生:私自身は家庭ももちたいし子供もほしいと思っています。ただ仕事もできる限りはやっていきたいし、自分の専門性も高めていきたいという思いはあります。というわけで、子供ができた際、現在の仕事と家事や育児を両立することが可能であるかを考えると相当不安が強いです。

コユリ:はい。(相等な怖がりサンだ。慎重なんだろうな。)

みなみ先生:今現在、毎日仕事から帰ってきたあと、ご飯やお風呂など家事をやるのは時間的にも肉体的にも相当大変です。また子供が風邪をひいた日にすぐ仕事が休めるかというと、現在自分が行っている仕事では休んだりは難しいかなと思います。風邪をひいたときでもみてもらえる保育園や家事を行ってくれるヘルパーさんのシステムなど社会全体でのシステムの構築が必要ではないかと考えます。社会的なサービスの向上を願っております。これからもよろしくお願いいたします。

コユリ:はいはい。もちろんです。先生方のお声を役に立てて、女性が働きやすい世の中を作っていきたいと思っています。それが、ジャーナリズムの役目ですから。どうぞ、どーんとお任せください!

みなみ先生:あ、ありがとうございます、コユリ記者さん!ところで、コユリ記者さんって、かわいいお名前ですね。(みなみ先生は明るく部屋を去って行った。少しは役に立ったかな。私の名前コユリの由来は次号でお話いたしましょう。これにはふかーいわけが、あるわけではありませんが。)

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