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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

甲状腺の病気

2017年8月10日放送2017年8月17日放送

2017年8月10日放送

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2017年8月17日放送

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ホルモン異常(甲状腺機能低下症と亢進症)(放送内容 資料はこちら

甲状腺はのど仏の下で気管の前にある小さい臓器で女性は数倍病気になりやすいと言われている。脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンで甲状腺ホルモンが分泌され糖代謝や脂質代謝などに影響し、ホルモンバランスが乱れると多彩な症状を起こす。低下症と亢進症があり更年期障害やうつ病などと間違われることも少なくない。

一般的な低下症は橋本病で自己抗体によりホルモンの分泌が低下する。症状は倦怠感、むくみ、眠気、皮膚の乾燥、脱毛、体重増加、徐脈などでコレステロール値の上昇がみられることがある。ゆっくり進行し病気と気づきにくい場合も多く、高齢者では認知症と間違われることもある。血液検査で診断できるが、気づかずに長年暮らしている人も少なくない。
先天性の場合はクレチン病と呼ばれ新生児マススクリーニングによって検査する。海藻類などのヨード含有食品、ヨード造影検査などヨードの過剰摂取により低下となることもある。治療はチラーヂンというホルモン剤の内服で多くの症状が軽快する。

一般的な亢進症はバセドウ病で自己抗体によりホルモンの分泌が亢進する。症状は動悸、息切れ、頻脈、手の震え、体重減少、過食、下痢、不眠、イライラ感などでコレステロール値の低下がみられることがある。特徴的な眼の症状がみられることもある。血液検査によりホルモン上昇と自己抗体の存在により診断できる。非常に稀な例として甲状腺機能正常のバセドウ病もあるため専門的な知識が必要である。まずメルカゾールまたはプロパジールの内服治療を行うが、妊娠出産を希望の場合はプロパジールの方が胎児への影響が少ないと言われている。経過によりアイソトープ治療や手術を選択する場合もある。

腫瘍の治療(悪性腫瘍の手術と合併症)(放送内容 資料はこちら

良性腫瘍には液体がたまる嚢胞、中身が詰まった腫瘍である濾胞腺腫、その2つが混ざったような腺腫様甲状腺腫が一般的です。嚢胞を小さくするにはエタノールというアルコールの一種を注入する方法が有効です。濾胞腺腫と腺腫様甲状腺腫ではサイズが大きい時、腫瘍マーカーが高い時、悪性腫瘍の可能性がある時に手術となります。特に濾胞腺腫は濾胞がんと似ているので注意が必要です。
悪性腫瘍は顕微鏡の結果で乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫に分けられ、乳頭がんが最も多く90%以上、濾胞がんは数%、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫は1%程度の稀な腫瘍です。
乳頭がん、濾胞がんの治療はまず手術であり、リンパ節にたくさんの転移がある場合、肺・骨に転移のある場合は甲状腺を全部摘出して放射線治療を行います。髄様がんの一部は遺伝性であり家族性かどうかの診断を行います。未分化がんは非常に予後が悪く、手術ができない場合が多くみられます。悪性リンパ腫はステージを決定して抗がん剤治療や放射線治療を行います。

悪性腫瘍では甲状腺とリンパ節をどのくらい摘出するかを決定します。
乳頭がんは小さい段階でリンパ節に転移しやすく適切なリンパ節の摘出が重要です。進行がんの場合は気管、食道、神経、血管など周りの臓器を一緒に切除することもあります。遺伝性の髄様がんは腫瘍が多発するので甲状腺を全摘します。
最も重要な合併症は声に関する神経であり、反回神経の片側が麻痺すると声帯の動きが悪くなり声が嗄れます。両側麻痺では呼吸ができず気管切開が必要になります。また、手術後に血液中のカルシウムが低下することを副甲状腺機能低下といい、手・顔などにしびれを感じるため内服が必要となります。甲状腺をたくさん切除すると手術後に甲状腺機能低下となりホルモン補充が必要となります。乳頭がん・濾胞がんでは10年以上たってから再発することがあるため長期的なフォローアップが必要です。

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