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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

月経困難症

2018年6月14日放送2018年6月21日放送

2018年6月14日放送

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2018年6月21日放送

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6月14日放送内容(放送内容 資料はこちら

月経期間中に月経に伴って起こる病的な症状を月経困難症と呼びます。
本来、生理はそれほど痛みを伴うものではありません。生理期間中、いつも強い痛みなどの症状が起きる場合は、月経困難症と考えられます。症状を我慢している方も多いのですが、子宮内膜症や子宮筋腫など、背景に病気が潜んでいる場合もあります。
放置すると、原因となる病気が進行したり不妊につながったりすることもあるため、原因を見極めて適切な治療をすることが大切です。

月経困難症の症状とは、下腹部の強い痛みや腰痛の他、おなかの張り、吐き気、頭痛、食欲不振、下痢、イライラ、抑うつなどの症状が起こることもあります。
その中で最も頻度が多いものが生理痛(月経痛)ですので、月経困難症と生理痛は同じように考えられることもあります。

月経困難症には、機能性月経困難症と、器質性月経困難症の2つのタイプがあります。
機能性月経困難症は、明らかな原因となる疾患が見つからない場合をいいます。
生理が始まると、子宮内膜で作られるプロスタグランジンという物質の分泌が増えて、子宮や血管、腸管を過剰に収縮されることによって、痛みなどの症状が引き起こされます。生理開始から間もない思春期女性に多いのが特徴です。
器質性月経困難症は、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの子宮や卵巣の病気が原因で起こります。20代後半以降に多く、加齢とともに増加します。治療しないで我慢していると、原因となっている病気が進行してしまうため、原因に合った治療が必要になります。

生理は「痛くて当たり前」でも、「がまんするもの」でもありません。
痛みが強くて学校や会社を休んだり、起き上がるのがつらいなど日常生活に支障をきたすほどの強い生理痛は治療が必要な状態ですので、産婦人科でご相談をなさることをお勧めします。

6月21日放送内容(放送内容 資料はこちら

月経期間中に月経に伴って起こる病的な症状を月経困難症と呼びます。
月経困難症には、2つの種類があります。器質性月経困難症と機能性月経困難症です。

器質性月経困難症の場合は、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの病気が原因で症状が起こっているため、治療しないでいると、原因となっている病気が進行してしまいます。そのため、原因となっている病気に合った治療を行うことが必要です。
子宮内膜症とは、本来なら子宮の内腔にある子宮内膜組織が、子宮内腔以外の卵巣やお腹の中で発生し、増殖する病気です。炎症や癒着を起こすと痛みの症状が現れます。
子宮腺筋症は、子宮内膜あるいはその類似組織が子宮筋層内に発生する病気で、子宮全体が肥大化する傾向にあります。
子宮筋腫とは、子宮筋層にできる良性の腫瘍です。成人女性の4人に1人が持っているとも言われています。筋腫が大きくなるにつれて、主な症状として月経量が増えたり、生理痛などがでてきます。

器質性月経困難症の治療は、まず、背景の病気の種類に関係なく、鎮痛薬や漢方薬などで、痛みなどの症状をやわらげます。症状が十分に改善されない場合は、低用量経口避妊薬や黄体ホルモン製剤を使います。
より重症でこれらの薬が効かない場合は、生理を止める働きがあるGnRHアゴニストを使うことを検討する場合や、進行具合によっては、それぞれの病気に合った手術を検討することもあります。

機能性月経困難症は、思春期女性に多く、身体の成熟とともに自然治癒することが多いのですが、日常生活に支障を来していれば治療を行うことが必要です。
痛みが強い場合は、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬を用いてやわらげます。
必要に応じて、漢方薬や子宮収縮抑制薬、精神安定薬を使用する場合があります。
鎮痛薬などを用いても治まらない場合は、低用量ピル(OC)や低用量ピルと同じ成分で保険診療可能なLEPと呼ばれる薬剤を使う場合もあります。

月経困難症は、両者ともに、適切な治療法がそれぞれ存在し、症状緩和や病状の改善があります。月経困難症を放置すると、日常生活の質を下げるだけでなく、原因となる病気が進行したり不妊につながったりすることもあるため、原因を見極めて適切な治療をすることが大切です。

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