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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

百日咳/風疹

2019年2月21日放送2019年2月28日放送

2019年2月21日放送

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2019年2月28日放送

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百日咳(放送内容 資料はこちら

百日咳はひどい咳が長い間続く病気で、百日咳菌により感染します。
百日咳に対するワクチンは四種混合あるいは三種混合に含まれていますが、ワクチンを接種していない赤ちゃんがかかると、咳だけではなく呼吸ができなくなったり、白血球が異常に増えたりして命を落とすこともあります。

昨年1月からは、検査で診断された百日咳すべてが報告されるようになり、日本の百日咳患者の全体像が明らかになってきました。それによると、昨年1年間でおよそ12,000例もの百日咳患者の報告がありました。
その3分の2を学童期の小児が占めていました。しかも、学童期百日咳患者の8割がワクチンをすでに4回接種していました。一方、乳児ではワクチンを接種していない生後2か月前後の赤ちゃんが罹患することが多く、ワクチン接種がすすむ生後4~5か月以降はかかりにくくなります。赤ちゃんの百日咳感染源は、兄弟が約4割、お父さんとお母さんからが概ね2割ずつでした。

これらのデータから、現行の百日咳ワクチンの効果は数年程度しか持たないことが想定され、小学校入学前に百日咳ワクチンとして三種混合を接種すると良いでしょう。日本小児科学会も昨年8月から小学校入学前の三種混合接種を推奨するようになりました。
日本の規則では生後3か月にならないと四種混合は接種できませんので、3ヶ月になったらすぐに四種混合を接種しましょう。また、出産を控えている家庭では、兄弟やお父さんも三種混合を接種し、また妊婦さんは出産後すぐに三種混合を接種すると良いでしょう。
百日咳の現況と百日咳に対するワクチンの望ましい接種方法についてお話ししました。

先天性風疹症候群(放送内容 資料はこちら

昨年は風疹の流行がありました。今年はもっと大きな流行となることが考えられます。
妊婦、とくに妊娠初期の妊婦が風疹に感染すると、生まれてきた子どもに、心臓の病気や難聴、白内障、体重増加不良、精神発達遅延などを認めることがあり、これを先天性風疹症候群といいます。先回2013年の流行では、45名の先天性風疹症候群が生まれました。

風疹は、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどを呈する流行性の病気です。罹ってもほとんど症状のでない人もいますし、逆に風疹と診断されても検査をしてみると風疹ではなかった人もいます。
以前は、流行の中心は小児でしたが、最近は予防接種歴のない、あるいは接種歴不明の20歳から60歳までの成人が流行の中心です。

抗体がしっかりある人は罹りません。ワクチンを2回接種する事が大切です。
成人には2回接種どころか1回も接種をしていない方がまだ大勢おられるようです。また、妊娠可能な女性では、ワクチン接種をしている方でも2割前後の方がしっかりとした風疹抗体価をお持ちではありません。
接種していない人はもちろん、2回接種したと思っていても接種の記録がない人は、風疹の抗体検査あるいはワクチン接種を受けましょう。なお、妊娠を希望する女性の場合はしっかりとした抗体価をお持ちいただきたいので、抗体検査を受けると良いでしょう。
抗体検査やワクチン接種に対しては自治体から補助が出ていることが多いので、ホームページなどでお調べになってください。
皆さまのご理解と行動力で、風疹の流行を抑え、先天性風疹症候群の発生を抑えましょう。

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