ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
2022年12月29日放送
この番組は、横浜市医師会の14ある各科医会の先生方に順番に出演し、すぐに役立つ健康情報をお届けしています。新型コロナウイルス感染症との戦いは間もなく丸3年となりますが、今年は「コロナ禍は医療従事者だけでは乗り切れない」と痛感する一年でした。
夏の第7波では、横浜市内の1日の感染者が7千人を超えることもありました。福祉保健センターの人手が足りず、各区医師会が在宅患者の見守りや症状の聞き取りに対応しましたが、救急搬送や発熱外来で患者さんを受け入れられない状態が続きました。
幸い、今主流のウイルスは毒性が低く、死亡率は下がっています。医師が診察可能な患者数には限りがありますから、重症化リスクの高い人が死に至らないよう、医療資源を有効活用しなければなりません。それにはまずワクチンを接種し、発熱したら行政のガイドラインに沿って自身で抗原検査をし、軽症なら自宅で療養するといった市民の皆さまの協力が欠かせません。逆に言えば、医療従事者と市民が一体になれば、コロナ禍を乗越えることはできるのです。
コロナ対応に奔走されながらも、新たな取組みを始めました。その一つが研修医を医師会全体でサポートする「臨床研修屋根瓦塾 横浜」です。研修病院以外の様々な病院の指導医から指導が受けられ、勉強になったと大変好評でした。今後も毎年開講し、ここで学んだ研修医が指導医になるという好循環を作っていきたいと考えています。
また、横浜市や各区役所・各区医師会と連携し、災害時の情報受伝達訓練も実施しました。災害時に市域全体で情報ルートを一本化し、市民の命を助ける体制づくりをしていきます。
新型コロナウイルス以外にも家族や身近に困っている方がいれば、かかりつけ医にご相談ください。来年こそ皆さまが笑顔で健やかに過ごせる一年になることを願って年末のご挨拶とさせていただきます。