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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

胃がんに対する治療/食道がんに対する治療

2026年4月30日放送2026年5月7日放送

2026年4月30日放送

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2026年5月7日放送

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胃がんに対する治療(放送内容 資料はこちら

本日は、胃がんの治療についてお話をします。
我々医師は胃がん取扱い規約と胃がん治療ガイドラインの2つを用いて治療にあたっています。取扱い規約は様々な取り決め事が記載されています。例えば、胃の各部位の名前、所属リンパ節の名前などが記載されています。治療はガイドラインに準じて行われることが原則となっています。

このガイドラインを用いることで、治療の施設間格差を解消し、医師と患者さんの相互理解を深めることが可能となります。現在、様々ながんでガイドラインが使用されていますが、胃がんの治療ガイドラインが他のがんに先んじて2001年に発刊されています。

治療方針は進行度別に決められており、リンパ節転移がないと考えられる症例では内視鏡的切除の適応です。例えば、潰瘍によるひきつれのない3cm以下の表層にがんがとどまっている組織型分化型の病変です。切除してみて、より進行していれば外科手術に移行します。
内視鏡的切除の技術は日本で開発された優れた治療法です。この適応を満たした病変に対しては、胃切除を行う必要はなく、患者さんの負担軽減は計り知れないものがあります。

進行度ⅡからⅢの進行がんに対しては、外科切除を行うことが原則となります。病変の広がりに応じて、胃の下側すなわち十二指腸側を切除する幽門側胃切除、逆に胃の上側すなわち食道側を切除する噴門側胃切除、あるいは胃全摘が選択されます。また、アプローチ法として開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術が選択されます。
最近では非常に多くの施設で腹腔鏡下手術が行われています。また、手術後に再発予防のための術後補助化学療法を行うことが推奨されています。

進行度Ⅳ症例では、手術適応がないために化学療法あるいは患者さんご自身の免疫細胞に作用してがん細胞からの攻撃を避けるような仕組みの薬剤、すなわち免疫チェックポイント阻害剤を追加した薬物療法が行われます。大規模臨床試験により有用性が認められた薬剤を選択する事で、より有用性の高い治療が期待されます。このような先進的な治療が保険診療で行われることは素晴らしい事と思います。
当院では、患者さん毎に適切な治療法を提示し、ご相談しながら治療を進めています。ぜひ、ご相談ください。

食道がんに対する治療(放送内容 資料はこちら

本日は食道がんに対する治療についてお話をします。
食道がんもガイドラインに準じて治療を行います。よって、術前の画像診断が大事となります。とくに、食道がんは進行して診断されることも多く、およそ40%の患者さんが進行度Ⅳ、すなわち手術ができない状態で診断されます。さらに、手術も長時間を要し、大きな負担が患者さんに及ぶため、進行度診断が重要となるわけです。

食道がんも5cm以下で表層に限定していれば、内視鏡的治療の適応となります。食道壁自体は、リンパ網が非常に発達しているのでがんの浸潤があまり深くなくてもリンパ節転移をきたしやすいとされており、より早い段階からの手術治療が必要です。

進行度Ⅰの一部とⅡからⅢの症例が手術適応となります。これまでの臨床研究で術前補助化学療法が長期成績を改善することが明らかとなっているので、原則として術前補助化学療法が行われます。しかし、高齢者や併存疾患のコントロールが困難な症例では化学療法を行わず、手術を行う場合もあります。

胸腔鏡手術が行われる事が非常に多くなり、さらにロボット支援下手術を施行している施設も増加してきました。
食道がんの手術は胸腔内の深いところでの操作が多いので、ロボット支援下手術の良い適応と言えます。

食道は縦隔と呼ばれる左右の肺に囲まれた領域を気管・気管支、肺、心臓、大血管に囲まれて下降し腹腔内へと走行します。よって、進行がんでは周囲臓器にがんが入り込む浸潤と呼ばれる状態になることがありますが、化学療法剤、患者さんご自身の免疫細胞に作用してがん細胞からの攻撃を避けるような仕組みの薬剤、すなわち免疫チェックポイント阻害剤、放射線治療などを行った後に治癒切除が可能になったと判断すれば、手術を行う場合もあります。また、広範な転移などがあっても薬物治療などで手術可能になる場合もありますので、積極的なアプローチが必要となります。
最近では、有用性の高い免疫チェックポイント阻害剤の存在が大きな比重を占めています。
我々の施設でも積極的に治療を行っていますので、ご相談いただければ幸いです。お待ちしています。

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