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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

その肩の痛み、本当に肩こりですか?

2019年6月13日放送2019年6月20日放送

2019年6月13日放送

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2019年6月20日放送

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6月13日放送内容

日頃、肩こりに悩む方は多いと思います。今回は「肩こり」と「肩こり」として放置してはいけない病気についてお話ししたいと思います。

肩こりは、「肩が張ったような感じ」「肩の重い感じ」「肩の痛み」など、様々です。
一般には「後頭部から肩、肩甲部にかけての筋肉の緊張を中心とする不快感、違和感、鈍痛などの症状」と定義されます。したがって、後頭部、頸、肩、背中の上の方の筋肉や頸椎などに負担がかかれば、肩こりが生じることになります。特に、後頭部、頸椎から胸椎、肩甲骨と広い範囲に付着する僧帽筋の機能障害は肩こりの中心的な位置を占めると言われています。

近視や遠視などの視力の異常、睡眠中の姿勢なども影響すると言われていますが、最近は、長時間コンピューターに向かうことが多かったり、スマートフォンの長時間の利用など生活習慣が原因となっていることが多く、頸椎や肩関節の機能障害をきたしていることが多く見られます。

また、働き盛りの年代では、仕事のストレスも原因となり得ることが示されています。
これらの異常は慢性的な経過をとることが多く、肩関節を自分で動かしたり、人に動かされたりすることで症状が誘発されたり、常にある痛みが悪化したりすることが特徴です。
こうした症状に対しては、運動、痛み止め、筋肉の緊張を和らげる薬、精神安定剤、抗うつ薬などの薬物療法、トリガーポイント注射、電気治療、温熱療法、電気治療、装具をつけるなどが経験的に行われていますが、実は科学的にどの方法が一番良いのかはわかっていません。
ご自分で簡単にできる方法としては、仕事中に適度に休憩をいれて同じ姿勢をつづけてとらない、コンピューターのモニターの位置を適切な位置に調節する、適度な運動をする、気分転換を行い、ストレスをためない、適切な寝具を選ぶなどが挙げられます。生活習慣上の工夫をすることが重要です。こうした工夫もかかりつけの先生に指導をうけるとよいでしょう。

6月20日放送内容

いわゆる「肩こり」は慢性的で、頸や肩周りの動きで症状が悪化しやすいこと、決まった良い治療法はないが、生活や仕事上の工夫で改善できることをお話ししましたが、今日は、肩こりのようで肩こりではない病気について、お話ししたいと思います。

後頭部や頸、肩の周囲、肩甲骨周辺は、胸部や腹部の内臓からの痛みを感じやすいことも知られています。
こうした病気の特徴は、先週お話しした肩こりと異なり、肩や頸を動かしても、痛みが誘発されたり、今ある痛みが更に悪化することがないということです。動かそうが安静にしようが痛みが変わらないときは、要注意または緊急性が高い病気だと考えていただき、速やかに医療機関を受診していただく必要があります。

たとえば、三大死因の一つである心臓病の中でも最も恐ろしい病気の一つである心筋梗塞は、突然始まる胸の痛みが特徴ですが、胸が痛まずに肩や頸に痛みを感じることもあります。同様に急性大動脈解離も胸、背中、頸部の突然始まる激烈な痛みで始まることが多いものです。
こうした、命に関わる病気の多くは、症状の始まりが、ご自分が何をしているときに起こったのかを覚えているほど急なことが多いのが特徴です。

激烈な痛みでも、痛くて肩が動かせないような場合は、四十肩のような肩関節周囲の炎症のことが多いので、慌てる必要はありません。
また、肩周囲が痛くて、大きく息を吸ったときに痛みがとても強くなるときは、肺や心臓を覆っている膜や横隔膜などに炎症が起きていることを意味します。肺の病気、肝臓や脾臓の病気などの可能性が高くなります。
また、女性で最近おりものが増え、下腹も痛い場合には、子宮から感染した病原体が肝臓周囲や脾臓周囲までおよんでしまっていることもあります。
このように大きく息を吸って肩周囲の痛みが悪化するときにも、かかりつけの先生に早めにご相談されると良いでしょう。

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