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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

運動と健康づくり/人生100年時代

2019年6月27日放送2019年7月4日放送

2019年6月27日放送

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2019年7月4日放送

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運動と健康づくり(放送内容 資料はこちら

「メタボ健診」がスタートして10年が経過しました。
「生活習慣病予防検診」とも呼ばれますが、“ポッコリおなか”とか“メタボ”という言葉を愛嬌があり憎めないと感じている人は少なからずいるのではないでしょうか。

メタボリック症候群は心血管疾患予防を第一義の目的としてハイリスクグループを絞り込むために定義された疾患概念であり、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(耐糖能異常)、動脈硬化惹起性リポ蛋白異常、血圧高値を合併する病態であります。
WHO、米国は既に2002年に健康対策として重視する方針を打ち出して診断基準を発表しています。日本ではリスクファクターが3個以上合併した場合の心血管疾患危険率は危険因子のない人の30倍以上に達することが報告されています。
メタボリック症候群は体重減少とくに内臓脂肪減量により確実な予防効果が期待できる症候群であると言えます。
腹囲はfollow upのためにも正確な計測をすることが望ましいです。空腹時に、両足をやや広げて立ち、軽く息を吐いた時に臍のレベルで測定します。

近年、糖尿病、高血圧、脂質異常症など、いわゆる生活習慣が原因の疾患が増加し、国民の医療費全体の1/3を占めているといわれており、対策を講じなければ国の財政を大きく圧迫することが予想されています。
これまでの健診と違って“おなかまわり”つまり腹囲を測るので、下腹(したばら)が出てきたなと気にしている人はドキっとするそうです。
この腹囲が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上ある人は、腹部のCT検査で測ると内臓の周りの脂肪は面積にして100平方センチに相当します。このような検査の結果に基づいて指導すると説得力があり効果的であるという感触を指導者は持っているようです。

人生100年時代(放送内容 資料はこちら

日本人の平均寿命は2016年に男性がほぼ81歳、女性がほぼ87歳と男女とも80歳を超えました。今や男性の4人に1人、女性では2人に1人が90歳まで生きる時代になったのです。
厚生労働省が2017年9月に発表した調査結果では100歳以上の高齢者(百寿者)は全国で6万7824人になり、この20年間で6.7倍に増えたことになります。
2018年の国の報告では2016年の日本人の健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳、同2016年の平均寿命は男性80.93歳、女性87.14歳であることより、健康寿命と平均寿命の差は男性が8.84年、女性が12.35年となり、この差を少しでも縮めて健康寿命を伸ばすことが課題となっています。

最近「人生100年時代」という言葉がよく聞かれます。政府も安倍晋三首相が議長となる「人生100年時代構想会議」を立ち上げました。100年という数字がそれほど耳新しくなく感じられるようになりつつあります。
様々な視点から百寿者を対象とした全国調査がなされており、それらによりますと体型などに特徴はなく太り過ぎ、痩せ過ぎの人はなく、糖尿病は僅か6%、がん罹患者は10%と少ない。食事は肉や乳製品も含めバランスよく摂取し、カロリーは70歳並みと報告されています。

健康寿命を伸ばす担い手となっていた元気な高齢者も加齢に伴うフレイル(虚弱)で危険な兆候である低栄養、転倒、サルコペニア、軽度認知障害が出現し、介入、支援が必要になります。
健康寿命延伸に一人暮らしは一長一短があるようです。いずれにせよ一人暮らしは増えており、2040年には現在の600万人から900万人になるとも言われています。
高齢者が社会参加しやすい環境を作って活発に働いたり、動けたりする社会を作るよう目指すことが健康寿命の延伸には不可欠です。

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