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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

食物アレルギー

2020年3月19日放送2020年3月26日放送

2020年3月19日放送

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2020年3月26日放送

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3月19日放送内容(放送内容 資料はこちら

アレルギーの原因食物は年齢によって変わっていきます。0歳では鶏卵・牛乳・小麦、1歳では鶏卵・魚卵・牛乳、2~3歳では魚卵・鶏卵・ピーナッツ、4~6歳は果物・鶏卵・ピーナッツ、7~19歳は甲殻類・果物・魚卵・小麦、20歳以上では小麦・魚類・甲殻類などが主な原因食物となります。

卵アレルギーは、乳幼児期で最も多く、卵を食べた直後には蕁麻疹、呼吸困難、意識消失などの即時型アレルギー症状を起こすものです。原因となる主要抗原はオボアルブミン、オボムコイドなどの卵白に含まれるたんぱく質です。そのため、卵白の方が卵黄よりアレルギーを発症しやすいことが分かっています。成長とともに耐性を獲得し、卵アレルギーは減少していきます。

牛乳アレルギーは、乳幼児期では2番目に多くみられます。新生児・乳児消化管アレルギー、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎、即時型の症状などと関連します。アレルギーの原因物質は様々で、年齢とともに耐性を獲得することが多いです。

一方、小麦アレルギーは、乳児だけでなく、全年齢においても第3位となっています。症状としては、乳児アレルギー、即時型アレルギー、小麦依存性運動誘発アナフィラキシー、パン職人喘息、小麦接触皮膚炎などがあります。その原因となる小麦のたんぱく質は症状によって異なり、グルテンやγ-グリアジンなどがあります。

魚介類を食べた後にアレルギー症状が出現した場合、魚介類に対する即時型アレルギーやアナフィラキシー以外に、寄生虫のアニサキスや、食物による急性ヒスタミン中毒などがあります。

甲殻類アレルギーで多いものはエビアレルギーですが、症状としては即時型アレルギー、アナフィラキシー、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔内アレルギー症候群など症状は多彩です。エビとカニのアレルギーの原因となるたんぱく質は構造がよく似ているため、どちらかのアレルギーになった方は、もう一方にも注意が必要です。

3月26日放送内容(放送内容 資料はこちら

ピーナッツアレルギーでは、ピーナッツを食べた直後に、アナフィラキシーなどの即時型アレルギーを起こします。
乳幼児の場合、自然に治る自然寛解は約20%です。ピーナッツアレルギーを持っている場合、他のナッツアレルギーを持っている可能性が25~50%と高く、クルミとペカンナッツのアレルギー、カシューナッツとピスタチオのアレルギーも注意が必要です。

大豆アレルギーは、乳児期では大豆の摂食によるアトピー性皮膚炎型の発症が多くみられますが、幼児期以降は、即時型アレルギー反応や口腔アレルギー症状となります。
大豆アレルギーでも味噌や醤油は摂取できることが多く、大豆自体も最も耐性を獲得しやすい、つまり治りやすい食物アレルギーです。
また、豆乳アレルギーはカバノキ科の花粉の感作におり、豆乳に対する口腔アレルギー症候群を発症します。
なお大豆の中でも納豆アレルギーはやや異なり、納豆を食べて半日ほどでアレルギー症状が出現するもので、症状は蕁麻疹、呼吸困難、意識消失、血圧低下などのアナフィラキシーが多いのが特徴です。アレルゲンはポリガンマグルタミン酸というもので、食品の保存料、増粘量、旨味成分として使用されており注意が必要です。

果物アレルギーについてですが、小児で発症した場合は、果物を食べているうちにアレルギーを持つようになり、蕁麻疹、息苦しさ、下痢嘔吐、アナフィラキシーといった即時型アレルギーを起こします。
一方、年齢を重ねると、口腔アレルギー症候群、花粉食物アレルギー症候群が多くなります。これは花粉症を持つ人が、果物や野菜を摂取した15分以内に、口の中のかゆみ、ぴりぴり、のどが詰まった感じ、蕁麻疹、喘息、アナフィラキシーを起こすことがあります。その理由はシラカンバやハンノキ花粉などのアレルゲンと、果物や野菜の中のアレルゲンが交叉反応を起こすためです。
例えば、シラカンバ花粉はバラ科のりんごや桃に反応することがあります。花粉症と食物アレルギーにも密接な関係があることを知っておいてください。

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