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その3:女性医師の結婚相手の7割が同業の医師であることの問題点

コユリ:それでは続けさせていただきます。具体的な問題点として、女性医師はほとんどが同業者と結婚するようですが。

神奈江先生:そうですね。出会いの場が限られているので、仕方がない傾向ではあると思います。

コユリ:先生は?

神奈江先生:私の場合は同業ではありません。ふふふ。会社員ですよ。

コユリ:そうなんですか。どうやって見つけたんですかぁ?

神奈江先生:努力です。

コユリ:はあ。あやかりたい、あやかりたい。さて、それはいいとして、多くの場合がそうである、夫婦が同業である場合の問題点は?

神奈江先生:やはり実際、双方ともに多忙になる可能性が高いのですから、その組み合わせを考えましょう。
まず、双方とも多忙。
次に男性医師側の家族、特にお姑さんなどから、子供の教育について、お姑さんが自分の子供に、つまり夫ですが、したように、たとえば私立小学校受験をするように言われたりします。時間を割く必要が生じますね。または、女性医師自身が、自分が育ったような環境つまり、専業主婦の母親から受けた子育てを子供に与えたいと思う。そうなると常勤職はとても無理です。
女性医師自身の意識には個人差があると思いますが、最近は幼児教育、早期からの教育が流行る傾向があり、私自身も、仕事のために、自分の子供を習い事に連れていけない後ろめたさを感じた時期があります。

コユリ:若い女性は結婚したらやめざるを得ない空気を感じ取っている。となると、結婚自体を回避するような傾向はありますか?そうなると、日本の人口が減ってしまい、大きな社会問題ですが。

神奈江先生:家庭を持っていない女性医師からは、“むしろ婚活サービスを紹介して欲しい!”というほどで、結婚に対しては夢を持っているようですが、結婚後の生活には 実感が伴っていない様子ですよ。結婚前の女性医師に、ロールモデルを示す必要性はあると思いますね。ガイダンス、ガイドブック的に結婚後の生活がシュミ レーションできて、どういう生き方ができるかを示す必要性があると思います。他職種で、仕事に理解があって生活力もあって、という相手と上手に生活してい る例など、提示しても良いと思いますよ。

コユリ:先生のように?

神奈江先生:いえいえ、私の家庭のことではありませんよ。

コユリ:またまた。

神奈江先生:ところで夫が勤めている会社が契約している○×クラブは、業務的には市職員厚生会のようなものですが、ホテルの予約から引越しサービスまで扱っていま す。シッターサービスの特典は、入会金免除から、会社によって異なりますが、たとえば、一時間につき300円の割引券があったりします。これで、一時間 1600円を1300円で利用できるので、風邪引きの子供一日10時間見てもらうと、1万6000円を1万3000円で利用できる。この会社は、一番安い会社です。常勤なら月に2、3日払ってもよいかなと思う額です。もちろん早く帰らせてもらったほうがうれしいのが本音ですがね。
一般の結婚紹介所の会員特典もあるので、引っ込み思案の方にはお勧めです。
男性医師に対して行った調査で、今の医療崩壊は女性医師の割合が増えたことにあるという意見に、仕事のハードな科では70%、そうでない科でも50%以上の賛成意見があったのを読みました。これは男性医師の本音かと思います。

コユリ:70%もですか。それはひどい。女性医師の割合は増えていますが、医療崩壊させるほどはまだ増えていませんよね。厚生労働省によると、医師は1996年から10年間で3万3000人増加しました。内訳は男性1万8000人、女性1万5000人と男女ほぼ等しいのです。女性医師は増えていますが男性医師も増えています。10年で男性医師と同じ数だけ女性医師の増えたことが医療崩壊を引き起こすと考える根拠はなんでしょうか。
(と、私は浜子先生の受け売りをした。)

神奈江先生:そうです。女性医師の意識も変える必要はありますが、社会の意識も変えないと。女性医師が増えるのはこれからです。しかし、のんびりしていたのでは間に合いません。育児を終えた女性医師がフルタイムで働けるよう、家事補完を何らかの形で社会がやっていかないと、やりがいだけにたよっていたら、みんな辞めてしまいますよ。月給を全部つぎ込んでヘルパーさんを雇って働くのだったら、働かずに子供と一緒にいられたほうがずっと楽ですからね。

コユリ:でも神奈江先生はそういう道を歩まなかった。どうしてですか?

神奈江先生:そうですねー。なんでかなー。うーん。

コユリ:使命感みたいなものですか?

神奈江先生:いやー、そんな立派なものじゃあないですよ。医者ってそういうものだと思って育ちましたからね。

コユリ:そうなんですか。医者ってそういうものなんですか。ふうん。

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