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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

副鼻腔炎

2019年5月2日放送2019年5月9日放送

2019年5月2日放送

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2019年5月9日放送

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5月2日放送内容(放送内容 資料はこちら

風邪をひいたあとにいつまでも黄色や緑色のドロッとした鼻汁が出たり、鼻がつまる。粘り気のある鼻汁がノドにたれこみ咳や痰が出る。頭が重たく感じる。そんな症状の方は副鼻腔炎かもしれません。

副鼻腔というのは、鼻の穴(固有鼻腔と呼んでいます)の周囲にある4対の空洞のことです。上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞があり、小さな穴で固有鼻腔とつながっています。この空洞は固有鼻腔と共に鼻汁を作り、顔面への衝撃を吸収したり、声を響かせたりしているといわれています。
その副鼻腔が細菌やウイルスなどにより炎症を起こすことを副鼻腔炎と言い、短期間で治る急性と3か月以上続く慢性に分けられます。急性と慢性を合わせると毎年1000万以上の人がかかるといわれています。

急性副鼻腔炎は風邪などで鼻の粘膜が腫れ、奥にある副鼻腔の出入り口がふさがり、副鼻腔内の圧力が変化し痛みを生じます。副鼻腔内に細菌感染が生じると、濃い鼻汁が出たり、発熱したりし、さらに痛みが増します。また、虫歯が原因となることもあります。

一方、慢性副鼻腔炎では痛みがないことも多く、黄色く粘り気のある鼻汁が出る、鼻がつまる、鼻汁がのどに垂れ込み咳や痰が出る、においがわかりにくい、からだがだるいといった症状が続きます。そのため風邪やアレルギー性鼻炎などと間違えやすいのですが、症状が1カ月以上続くときは、検査を受けることが大切です。
副鼻腔炎が目に近い副鼻腔で起きると視覚に影響することもあります。また、脳にも近く髄膜炎などを起こすこともあり注意が必要です。

最近、難病に指定された好酸球性副鼻腔炎という病気があります。これは白血球の一種である好酸球が鼻や副鼻腔の粘膜に集まる、治りにくい副鼻腔炎です。においがわからなくなり、気管支喘息や難聴を合併することが多く、注目されています。

5月9日放送内容(放送内容 資料はこちら

副鼻腔炎の診断のためにはレントゲン撮影やCT、MRIなどを行います。また内視鏡検査、細菌検査、組織検査、血液検査が行われることもあります。

急性副鼻腔炎の治療には抗菌薬や点鼻薬、ネブライザーなどが使用されます。慢性副鼻腔炎の場合、マクロライド系の抗生物質や消炎酵素剤、膿の吸引、副鼻腔の洗浄などによって改善されます。
症状の程度によって異なりますが、治るまでに3か月程かかるので、医師の指示に従ってきちんと治療を続けるようにしましょう。約9割の方はこのような保存療法で治りますが、残りの1割にあたる3か月以上治らない場合には手術を要する場合もあります。

昔から行われていた慢性副鼻腔炎の手術は顔の骨に穴をあける、体への負担が大きい手術でした。
最近は内視鏡を用いてポリープや副鼻腔の腫れた粘膜を除去する手術で、以前より体への負担が少なくなりました。
ただし、副鼻腔は眼や脳と近いので手術においても慎重な対応が必要です。副鼻腔炎を治療することにより気管支喘息も改善する場合があります。

予防としては、風邪をきっかけに副鼻腔炎を起こしやすいので、できるだけ風邪をひかないこと、また、風邪をひいても長引かせないことです。市販の点鼻薬は、長期間使うことによりかえって鼻づまりを起こすことがありますので、長期の使用は避けましょう。

花粉症などのアレルギー性鼻炎がある人は、副鼻腔炎を起こしやすい傾向がみられます。早めの受診を心がけましょう。副鼻腔炎ではないかとご心配の方はお近くの耳鼻咽喉科を受診してください。

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