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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

正しい眼鏡処方の話

2019年9月19日放送2019年9月26日放送

2019年9月19日放送

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2019年9月26日放送

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2019年9月19日放送内容(放送内容 資料はこちら

裸眼での見え方の低下を感じたときに、大変便利なメガネですが、近視用・遠視用・乱視用・そして老眼鏡と、さまざまなタイプのメガネがあります。そのメガネを作るときに、直接メガネ屋さんに行くのか、あるいは眼科を受診し処方箋をもらってからメガネを作るのか、など、身近なメガネについての正しい作り方や使い方などを2週にわたってお話させていただきます。

結論から申し上げます。
正しいメガネが必要な場合に、一番の近道はどうすればよいかと言いますと、「お手間であっても眼科を受診してメガネの処方箋ももらってからメガネ店に行くのが、正しいメガネの近道」ということになります。

みなさんがまずメガネを作ろうと考えるときのきっかけはなんでしょうか。おそらくは今の見え方に不自由を感じるときに人はメガネを作ろうかと考え始めまるわけです。
メガネは裸眼視力の低下や加齢に伴うピント調節力の低下を補うための道具でありますが、その原因を突き止めずに、視力検査だけでメガネを作ろうとすると、様々な不都合が生じることがあります。

なぜ、直接メガネ店で眼科医の処方箋なしでメガネを作ることをすすめないか、その理由を“お子さん世代”“働き世代”“シニア世代”に分けて説明いたします。

第1週目はお子さん世代のメガネとの付き合い方について申し上げます。
お子さん世代では、そもそも親御さんの気持ちとしてはメガネをできるだけ掛けさせたくない、という気持ちが正直なところでしょう。
学校検診で視力低下を指摘された場合にいきなりメガネ屋に行くご家庭は少ないとは思いますが、本当にメガネを使用した方がいいのか、治療をすべき疾患は隠れていないかなど、見え方について医学的な判断が必要になることが特に多いのがこの世代と言えます。
右目と左目との間に、屈折の差が極端にあるケースや、乱視が強い場合、斜視を伴う場合などは、発見・治療が遅れると、永続的に視力が上がらない「弱視」と呼ばれる状態になる危険があります。メガネの作成は眼科医に相談することがとても大切です。

2019年9月26日放送内容(放送内容 資料はこちら

前回は“お子さん世代”とメガネについてお話をさせていただきました。
今回は、“働き世代”“シニア世代”にむけて、メガネとの付き合い方について説明をさせていただきます。

働き世代については、視力の低下を感じたときには直接メガネ屋に行かれる方が多いかもしれません。しかし、IT社会の現代においては、皆様の目の使い方も様々です。デスクワークが中心なのか、運転などの遠方を見ることが多いのか、室内で使うのかなどによって、処方するレンズの度数も様々です。
この辺りは処方箋がなくても、メガネ屋さんで独自に調整して作るところもあるようですが、この調整には知識と経験が求められますし、不適切なメガネの使用による慢性的な眼精疲労などを促すことがあります。
また、ここを一番強調したいのですが、見づらいと思ってメガネを作り直して様子を見たが、だんだん見づらくなってきた、といったケースの中に緑内障などの進行性の病気が隠れていることがあります。特に40歳以上の20人に一人は緑内障があると統計上の報告があります。
緑内障は視野が狭くなっていく病気です。一度狭くなった視野は元には戻りませんし、初期には自覚症状も少ないのが実情です。
以上のことから特に40歳以上の方は、視力の低下を感じたら一度は眼科を受診してください。
治療を必要とする病気がないか、診察を受けていただきたいと思います。

シニア世代については、見づらいと思ってメガネをいろいろ変えても、やっぱり見づらいといったケースが考えられます。
一般的に50歳を過ぎますと白内障が加齢変化として現れてきます。その他にも加齢黄斑変性などの網膜の病気も加齢とともに出やすい世代と言えます。そのため、見え方をメガネで解決できないことも多くなりますので、やはり眼科を受診し、その原因をしっかり見極めることが重要と言えます。

最後ではありますが、2週にわたって、正しいメガネを作るために、眼科の受診の必要性を世代に分けて述べさせていただきました。人間の目というのは、日常の生活の身の回りから世の中のあらゆる風景を見るための最も大切で唯一の臓器と言えますが、自分の眼の中をご自身でみることはできません。
直接メガネ屋さんでメガネを作る利便性をすべて否定するつもりはありませんが、見え方でお困りの際にはまずお近くの眼科で眼の中の点検を受けていらだきたいと思います。

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