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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

ヘバーデン結節/手根管症候群

2019年10月3日放送2019年10月10日放送

2019年10月3日放送

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2019年10月10日放送

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へバーデン結節(放送内容 資料はこちら

左右の指に多発する、軟骨のすり減る変形性指関節症のことです。報告者の名前からヘバーデン結節と呼ばれます。手の第1関節が変形して曲がり、痛みが生じる原因不明の疾患です。

症状は、親指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったり、痛みを伴うことが多く、指の動きも悪くなります。そのため、ぞうきんを絞る、キーボードを打つ、袋を開ける際に強く握るなど、指先に力を入れる行為が困難となります。
また腫れた第1関節の皮膚が薄くなり、関節液ができ物のように溜まってみえることがあり(これを粘液嚢腫といいます)こうなると少しぶつけただけでもかなりの痛みを伴うことがあります。見た目や、手の握りにくさなどといった症状や、40代以上の女性に発生することなどの共通点が多いことから、関節リウマチを心配されて来院するかたが数多くいらっしゃいます。

手先を良く使う人にはなりやすい傾向があります。原因は不明で、遺伝性は証明されてはいませんが、親がヘバーデン結節になっている人は、発症しやすい傾向です。近年は、女性ホルモンと関係があるのではないかと言われていますが、根本的な治療に結びつくほどのことは明らかにはなっていません。

診断はレントゲンで、軟骨がすり減へっているのを確認します。見分けるべき病気としては、関節の化膿や皮膚病の乾癬にともなう関節炎があり、これらは治療法が異なるため、まずは整形外科クリニックで診てもらうことがよいでしょう。

治療は、手先を使いすぎないようにする、やむを得ず手作業するときはテーピングで第一関節を3~4周軽く巻いて関節の動きを減らす、外用剤を塗る、著しい痛みには少量のステロイドを関節に注射することもあります。長期にわたり日常生活に支障がでる場合は、まれですが手術で関節固定を行うこともあります。

手根管症候群(放送内容 資料はこちら

小指以外の親指から薬指までの4本がしびれます。このしびれや痛みは布団に入る夜や明け方に生じて睡眠の妨げにもなります。指を握ったり手作業が多いと痺れが増えます。
感覚が弱くなるため、小銭を取り出したり、ペンでものを書く、ボタンをかけることなどが難しくなります。
ひどくなると親指の動きも弱り、親指を手のひらに向けることが困難となります。親指の付け根の筋肉がやせて、親指と人差し指できれいな丸のOKサインができなくなります。

妊娠・出産期や更年期以降の女性に多く生じるのが特徴です。その他、糖尿病、甲状腺疾患によるむくみ、腫瘍、手首の骨折、手の使いすぎ、透析の方などに生じます。
病態は、手首の靭帯が分厚くなることにより、狭くなった手根管の中で正中神経が圧迫された状態です。手根管は骨と靱帯で囲まれたトンネルで、正中神経と指を曲げる腱が通っています。よく手を使うと腱が動いて正中神経へ刺激となります。手のむくみや手首の靭帯・腱鞘が分厚くなるなどの加齢性変化や女性ホルモンの乱れが原因と考えられています。

診断ですが、手首(手関節)を手のひら方向に直角に曲げて両手の甲をあわせて、しびれが誘発されれば手根管症候群が疑われます。手根管をはさんだ正中神経の伝導速度を測定します。首を反らす動きで悪化するならば頚椎症由来の痺れですが、この手根管症候群も同時に存在することも多くあります。
治療は、痛み止めやビタミンB12などの飲み薬、運動や仕事を制限し手首の固定による安静、手根管内に注射が行われます。それでも治らない場合や母指球筋のやせ始めたものなどは手術が必要になります。手術には小さい創あるいは内視鏡を用いた手根管開放術が行われています。

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