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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

紫外線による皮膚トラブル

2020年10月1日放送2020年10月8日放送

2020年10月1日放送

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2020年10月8日放送

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10月1日放送内容(放送内容 資料はこちら

2週にわたり、紫外線による皮膚トラブルについてお話ししたいと思います。今週は皮膚障害の種類について、来週はその予防方法を解説いたします。

日光による皮膚障害は、皮膚が赤くなり火傷ようの炎症を起こすサンバーンと、多量のメラニン色素をつくるサンタンがあります。サンバーンは紫外線B波のUVBが、サンタンは紫外線A波のUVAが主な原因になります。

継続的な日光暴露による慢性障害として、光老化と腫瘍形成があります。メラニンは不必要なものではなく、紫外線から体を守るカーテンの役割を果たしていますが、長期にわたる紫外線暴露によりメラニン色素が繰り返し作られた結果、シミなどの色素斑を残すことになります。
またUVAは皮膚の深くまで到達するため、コラーゲンやエラスチンなどにダメージを与え、弾力線維を壊し、しわ・たるみの原因になります。強い紫外線暴露は細胞DNAに障害を残してしまいます。その結果、日光角化症・基底細胞がん・メラノーマなどの発生が増加します。

多くの人にとっては問題が起きない程度の強さの日光でも、浴びた部位に赤みやかゆみが発生してしまう場合があります。日光蕁麻疹や他の光線アレルギーは、紫外線ではなく可視光線が原因の場合もあり、紫外線防止だけでは改善しない日光過敏症もあります。

シミには幾つか種類があります。「日光性色素斑」は比較的大きな類円形のシミです。「ADM」は後天性真皮メラノサイトーシスの略語で、頬の部位に斑点状に紫褐色の色素斑がみられるものです。「肝斑」は頬にびまん性発生する褐色色素斑で、紫外線暴露の他、ホルモンバランスの変化など色々な要因が関与して30歳ころより出来始めます。

紫外線による皮膚トラブルの種類について今週はお話しいたしました。来週はその予防法について解説します。

10月8日放送内容(放送内容 資料はこちら

先週は紫外線皮膚トラブルの種類をお話ししました。今週はその予防法を解説いたします。

様々な日光対策がありますが、予防は小児期より行われることが大切です。
生涯に浴びる紫外線の多くを18歳までに受けているといわれています。ご自身だけでなくお子さんの防御も心がけてください。また、正午前後の外出をなるべく避け、不必要に日光を浴びすぎないようにしましょう。出かけるときには日焼け止めを塗り、日傘・帽子・手袋あるいは着衣で紫外線をなるべく遮りましょう。UVカットのサングラスは眼への障害を防ぐだけでなく、皮膚への影響も減らします。

なかでも重要なのが日焼け止め=サンスクリーンを塗ることです。ただし、正しく使用をしないと十分な効果は得られません。
ご自身で思っているより使用量はやや多めです。ローション剤なら1円玉大くらい、クリーム剤なら人指し指の第一関節の長さまでの量が必要です。これを塗り残しのないよう、丁寧に塗りましょう。
額・鼻・頬は特にダメージを受けやすい部位です。頸や腕などもお忘れなく。スポーツなどで取れてしまった場合は、塗り直しも大切です。

UV化粧品には、SPFやPAといった防止効果の表記があります。
最も強力な日焼け止めが常に必要なのでしょうか?強めのサンスクリーンに含まれる吸収剤により肌を傷めてしまうこともあります。
敏感肌の方は、日常生活ではSPF30、PA2+吸収剤フリーの製品を、リクリエーションなど強い日光暴露のある際には、SPF50、PA4+のサンスクリーンを使用するといった、使い分けをしてみてください。

2週にわたり、紫外線皮膚トラブルとその予防法についてお話しいたしました。
皮膚トラブルは早く対処し、痕を残さないことが大切です。お近くの皮膚科専門医に相談し、正しい治療を受けてください。

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