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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

更年期と痛み

2020年11月12日放送2020年11月19日放送

2020年11月12日放送

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2020年11月19日放送

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11月12日放送内容(放送内容 資料はこちら

みなさんは「更年期」と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
更年期は女性ホルモンバランスの乱れから様々な症状が出現しますが、ほてりや多汗症、イライラなどの精神症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
しかし、実際には更年期になると関節のこわばりや関節の痛み、腰痛、肩こり、手のしびれなど、整形外科が扱うような症状が出現することも少なくありません。

一般的に、閉経前後5年間ほどの期間を更年期と呼びますが、人によって時期や期間にはばらつきがあります。

女性ホルモン=エストロゲンの低下により、さまざまな心身の不調を来すことがあります。更年期の女性が整形外科を受診すると、「不定愁訴」として片付けられてしまうことも少なからずありますが、適切な対処により、この時期を痛み少なく過ごすことも可能です。

更年期の代表的な症状として、肩こり、腰痛、背中の痛みなどがあります。
原因としてはホルモンバランスのくずれや、それに伴う自律神経失調、血管の老化などにより血流の低下が生じ、乳酸などの疲労物質が蓄積しやすくなったり、筋骨格系が衰えることが原因と言われています。
また、女性の場合は特に骨粗しょう症の発症リスクが男性と比べると高いため、よりこうした痛みが出やすくなるとも言われています。

簡単な対処法としては全身のストレッチングや、ストレスをためない事、長時間同一姿勢を取らないよう工夫する事が大事です。また、こうした症状の裏に、椎間板ヘルニアや骨粗しょう症などの病気が潜んでいることもあるため、症状が長引く場合には整形外科を受診すると良いでしょう。

次回はその他の症状や、更年期の痛みの治療について詳しくお話します。

11月19日放送内容(放送内容 資料はこちら

更年期に伴う痛みとして、腰痛や肩こりに次いで多いのが関節痛です。
主に膝関節(=変形性膝関節症)や手指の関節の痛みやこわばり(へバーデン結節)を訴える方が多いです。これらは朝起きた時に痛みが生じることが多く、関節リウマチと似た症状を呈することもあるため、注意が必要です。

この時期に特徴的なのは、レントゲン撮影をしても、ほとんど関節の異常が検出されることはなく、「異常なし」という診断を受けることが少なからずあることです。しかし、実際にはレントゲンに写らないレベルで更年期から関節の破壊が始まると言われています。

加齢や女性ホルモンであるエストロゲンの減少によって、関節を支えている軟骨や筋肉が衰え、関節内の水分減少、更に末梢の循環が悪くなったりすることによって関節痛が起こると言われています。
また、最近の研究では、エストロゲンには関節軟骨を保護する作用があり、更年期を境にエストロゲンの低下から関節の破壊が始まるとする研究も発表されています。

対処法としては適度な運動に加え、ビタミン類(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)をしっかり摂ることが大切です。

また、関節の痛み以外にも、腱鞘炎や手のしびれといった症状も更年期が大きく関与しています。こうした多彩な症状に対し、従来の薬物療法や物理療法に加え、プラセンタ療法や漢方治療、サプリメント(=大豆イソフラボン)治療などが有効です。
更年期における諸症状は、心と身体のバランスの不調が根底にあり、ひとつの方法ではなく、さまざまな方法を試してみることで、上手く付き合い、そして克服することが重要です。更年期に伴う痛みでお困りの方は、一度専門家に相談されることをお勧めします。

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