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今すぐできるがん予防

2020年12月10日放送2020年12月17日放送

2020年12月10日放送

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2020年12月17日放送

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12月10日放送内容(放送内容 資料はこちら

がんの2大予防とは、がんのリスクを下げるために生活習慣を改善すること、そして命を落とさないために早い段階でがんをみつけて治療ができるようにがん検診を受けることです。どちらもとても大切なことです。
生活習慣の改善が大切であることをより深くご理解していただきたいので、その予備知識としてまず病気の要因についてお話しいたします。

がんを含む多くの病気は遺伝要因と環境要因により発生します。
両親から受け継いだ遺伝要因があって、そこに後天的な因子、例えば、たばこやお酒、運動不足などの環境因子が加わって病気は発生します。遺伝子を変えることはできませんが、環境因子はご自分の努力で変えられます。

例えば、たばこです。生活習慣改善として一番大事なことは禁煙と言っても過言ではありません。たばこはあらゆるがんのリスクです。がん死亡の要因はいろいろありますが、日本人男性の場合、たばこが死亡原因の34%も占めます。つまり、禁煙するだけでがん死亡率を34%も減らせます。

お酒もがんのリスクです。肝臓がんや大腸がん、食道がんとの関連が高いです。
また、肥満と関連が深いがんは、肝臓がんと大腸がんと閉経後の乳がんです。

感染が原因でできるがんは感染源を断ち切ればかなりの確率で防止できます。肝臓がんはB型・C型肝炎ウイルス、胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌、そして、子宮頚がんはヒトパピローマウイルスが原因です。

その他のリスクとして糖尿病は肝臓がんと膵臓がん、塩分は胃がん、熱いものは食道がんと関連があります。

逆にリスクを下げる因子として、運動は大腸がんのリスクを下げますし、野菜と果物は食道がん、コーヒーは肝臓がんのリスクを下げます。

今回は、今すぐできるがんの2大予防のうち、生活習慣改善についてお話しました。

12月17日放送内容(放送内容 資料はこちら

今回はがん検診についてお話します。
国立がん研究センターが発表するがん統計の数字に罹患数と死亡数があります。
罹患数とはがんに罹った人の数です。死亡数とはがんで死亡した人の数です。この数字は一致することはありません。なぜなら、治療により治る方がいるからです。

例えば、すべての臓器のうち、2017年に罹った人が一番多かった臓器は大腸でしたが、死亡した人の数でみると大腸は3位でした。反対に肺がんの罹患数は3位ですが死亡数は1位でした。膵臓がんも肺がんと同じような現象があり、罹患数は6位ですが、死亡数は4位となっています。
これは、肺がんや膵臓がんに罹った時に死亡する確率が他のがんに比べて高い、ということを意味します。

では、どうして死亡率が高いのかというと、治療しても治りにくかったり、進行した状態でみつかる割合が多かったりするからです。

5年生存率とは、がんを治療した人が5年後の時点でどのくらい生存しているかを表す割合です。
がんを早期に発見すればするほど5年生存率は高くなるので、どんながんでも早い段階で発見することが望まれます。早く見つけるには症状のないときに検査やがん検診を受けることがとても重要です。

検診には主に3種類あります。自治体が行うもの、勤務先が行うもの、そして人間ドックなどの自己負担で行うものです。自治体や勤務先の補助を利用すれば自己負担は少なくてすみます。うまく利用してお受けください。

健康はかけがえのない人への思いやりです。心と体が健やかで、仕事に専念でき、家族や友人と笑顔で楽しい時間を長く共有できるような満足度の高い毎日を送っていただくために、がんの2大予防を実践してください。

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