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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

がん検診について/胃がんについて

2022年2月3日放送2022年2月10日放送

2022年2月3日放送

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2022年2月10日放送

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がん検診について

がんは日本人の死亡原因の第1位で、50歳以上で発生率が上がり、働き盛りの年代の方が命を落とす原因にもなります。がんは早期の段階ではほとんど症状がなく、そしてある程度進行してしまうと根治が望めなくなります。一方、近年の診断・治療の進歩により、早期に発見し治療することで、多くのがんを根治できるようになってきました。そして症状の出ない早期のうちにがんを見つけるために必要なのが、がん検診です。

特に、日本人で死亡数の高いがんの中で胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5つのがんは、検診を受けることで早期に発見でき、さらに適切な治療を行うことで死亡率が低下することが科学的に証明されています。

まずはお近くの医療機関でがん検診を定期的に受診していただくことが大切ですが、実際にがん検診を受けて「異常あり」と判定された場合、「自分はがんなのか」と恐ろしく感じる方もいるかもしれません。しかし最終的にがんと診断される方はがそれほど多くありません。検診で異常ありと判定された方が実際にがんである可能性は(がん検診の種類により異なりますが)数%程度です。

もしがん検診で「異常あり」と判定されたら、精密検査で早期がんを見つけられるチャンスと考え、ご自分や心配してくれる方々のためにも、必ず精密検査を受けるようにしてください。

がんの予防も大切で、①喫煙・②多量の飲酒・③食生活のバランスが悪い(塩分過多、野菜不足、動物性食品の過剰摂取)・④運動不足ががんと関連する因子としてあげられます。ただし、これらに該当しなくてもがんにならないわけではありませんので、がん検診は是非受けてください。

胃がんについて

今回はがんのなかで、日本人で頻度の高いがんである胃がんを取り上げます。
胃がんは全てのがんの死亡数の中で男性で第2位、女性で第4位を占めています。胃がんの主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌という細菌感染と考えられており、その他に喫煙、多量の飲酒、塩分の取りすぎが胃がんの危険要素になります。

近年胃がんの診断・治療技術は大きく進歩しており、高性能な内視鏡を使って数ミリの大きさの超早期のがんも発見できるようになってきました。早期のうちに治療すればほとんどの胃がんは治癒します。
治療手段も以前はおなかを大きく切って胃を切除する開腹手術しかありませんでしたが、最近では胃カメラで胃がんを切除する方法や、おなかの中にカメラを入れて小さな傷で胃を切除する方法が普及しており、からだの負担も小さくなりました。
一方、残念ながら胃がんで亡くなる方が多くいらっしゃるのは、検診を受けておらず、症状がないままに胃がんが進行してから発見されるケースが少なくないからです。

現在国や自治体はがん撲滅に積極的に取り組んでおり、胃がんに関しても内視鏡を使った精度の高い検診を行う自治体が増えています。内視鏡検査はがんを早期に発見することももちろんですが、冒頭で挙げたピロリ菌の感染の有無を推測することもできます。
50歳を過ぎたらまず一度内視鏡検診を受けること、そしてもしピロリ菌の感染が疑われる場合には精密検査でピロリ菌の有無を確認し、菌を取り除く内服治療を行うことで将来の胃がんの発生を予防できます。

胃の痛みやもたれなどの症状がある方はもちろん、何も症状がない方でも是非定期的に検診を受けてください。

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