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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

腎がんの診断と治療/腎細胞がんの治療

2022年3月17日放送2022年3月24日放送

2022年3月17日放送

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2022年3月24日放送

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腎がんの診断と治療(放送内容 資料はこちら

腎臓がんにはどのようなものがありますか?

腎臓には腎実質にできる腎細胞がんと、腎臓の内側に位置する腎盂という場所にできる腎盂がんの2つがあります。
腎臓にできるがんの約7割は腎細胞がんで、一般的に腎がんと言うと腎細胞がんのことを意味します。そのため今回は腎細胞がんについてお話しします。

腎細胞がんではどのような症状がでますか?

早期の腎細胞がんに典型的な症状はありません。そのため腎細胞がんを早期に発見するためには、40歳頃から健康診断や人間ドックを定期的に受けて、尿検査や超音波検査をしていただく必要があります。
腎細胞がんが進行すると、肉眼的血尿や腹痛が現れ、腹部に腫瘤を触れるようになります。

健康診断や人間ドックで腎臓の異常を指摘された場合はどうしたらいいですか?

超音波検査等で腎臓の腫瘍を指摘された場合、総合病院の泌尿器科を受診し、造影CTやMRIなどの精密検査を受けていただきます。これらの検査は聖隷横浜病院でも行っています。
また尿検査でタンパク尿を指摘された場合は、泌尿器科ではなく腎臓内科を受診してください。

もし腎細胞がんと診断されたらどうしたらいいですか?

腎細胞がんと診断されても、決して慌てる必要はありません。
腫瘍の大きさがどのくらいか、腫瘍が転移していないかなど、がんの進行度を十分に検査した上で、適切な治療を受けられることを勧めます。

腎細胞がんの発病のリスクや予防について教えてください。

腎細胞がんの患者さんは50歳頃から増えはじめ、70歳代までは加齢とともに増加します。
腎細胞がんの原因はまだはっきりとはわかっていませんが、その発症のリスク因子として、喫煙と肥満が指摘されています。そのため腎細胞がんの予防には禁煙とバランスのとれた食事や体重コントロールが有効です。
また腎細胞がんには典型的な自覚症状はありませんので、定期的に健康診断や人間ドックを受け、腎臓に異常ないことを確認されることを勧めます。

腎細胞がんの治療(放送内容 資料はこちら

腎細胞がんの治療について教えてください。

転移のない腎細胞がんに対しては、手術が第一選択となります。
患者さんの年齢や合併症等で手術ができない場合は、動脈塞栓術や薬による治療を行う場合もあります。

手術方法にはどのようなものがありますか?

一般的に直径4cm以下の小さいがんに対しては、がんとその周囲の組織だけを取り除く、部分切除術が行われます。腎臓の正常部分が残るので、腎機能が維持されます。
一方4cmを超える大きながんに対して部分切除をするとがんが残りやすく、再発する可能性が高くなります。そのため全摘除術が行われます。

手術のアプローチはどうするのですか?

近年、腎細胞がんの手術は内視鏡手術が主体となりました。開腹手術は一部の患者さんに対して施行されます。
またダ・ビンチというロボット支援手術も急速に普及しています。横浜市内においても、いくつかの病院が、腎細胞がんに対してダ・ビンチを用いたロボット支援手術を施行しています。

ロボット支援手術にはどのようなメリットがありますか?

ロボット支援手術では、三次元立体映像カメラを用いて、腎臓を立体的に観察できるため、細かい血管の走行が容易に視認できます。またロボットアームには手振れ防止機能があり、安全にかつ確実に手術操作を行うことができます。
腎細胞がんの手術は、ダ・ビンチが導入されて以来手術時間が短縮され、手術時の出血量が減少しました。

手術に要する入院期間は何日間くらいですか?

患者さんの年齢や全身状態、合併症の有無にもよりますが、おおよそ1週間くらいです。
退院後は入院前と同じ日常生活を送ることができます。

腎細胞がんには典型的な症状や腫瘍マーカーがありません。
そのため定期的に健康診断や人間ドック受けられることを勧めます。
もし腎臓に異常を指摘された場合は、聖隷横浜病院を受診し精密検査を受けてください。

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