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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

まぶたのけいれん

2022年7月7日放送2022年7月14日放送

2022年7月7日放送

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2022年7月14日放送

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2022年7月7日放送(放送内容 資料はこちら

「まぶた」は医学用語では眼瞼がんけんと言います。また顔の運動は、顔面神経が支配していますが、「けいれん」は、意識しないで起こる筋肉収縮のことです。しかし「まぶたのピクピク」の多くは、医学用語の「眼瞼けいれん」ではありません。今回は「まぶたのけいれん」を起こす主な4つの病気、①眼瞼ミオキミア、②チック、③片側顔面けいれん、④本態性眼瞼けいれんについて説明します。

①の眼瞼ミオキミアは、多くは下のまぶたがピクピクと勝手に収縮をしている状態で、そのために目をつぶってしまうようなことはありません。通常は片目に起こり、数秒から数分で自然に軽快しますが、また再発をすることが多いです。原因はわかっていませんが、カフェイン、アルコール、睡眠不足、不安、ストレス、スマホの使い過ぎなどでよく起こることがわかっています。

そのため、目の周りを温めたり、冷やしたりして目を休ませる、またカフェインやお酒の摂取を減らして、スマホや仕事などもこまめに休息をとることが改善につながります。多くの人が経験するまぶたのピクピクは、眼瞼ミオキミアで、心配するものではありません。しかし、長い間続いたり、目がぼやける、痛みがあるなどの場合は、眼科の受診をしてください。

②のチックは子どもの瞬きが多くなる状態で、よく見られますが、たいていは徐々に改善していきますので、安心して見守ってあげてください。

なお、③片側顔面けいれんは、顔面神経が脳の近くを走る動脈に触れることで、顔面の片側だけにけいれんが起きます。④本態性眼瞼けいれんは、脳の深部のまばたきをコントロールしている部位の障害です。この2つにはボツリヌス治療が良く用いられていますが、次回にお話します。

2022年7月14日放送(放送内容 資料はこちら

前回は「まぶたのけいれん」を起こす①眼瞼ミオキミア、②チック、③片側顔面けいれん、④本態性眼瞼けいれんの中で、①と②についてお話しました。

③片側顔面けいれんは、顔の表情を支配する顔面神経が脳の近くを走る動脈に触れることで、顔面の片側だけにけいれんが起きて、勝手に片目だけつぶってしまう、顔が引きつってしまうなどの症状があります。

④本態性眼瞼けいれんは、脳の深部のまばたきをコントロールしている部位の障害です。
しょぼしょぼ、目が乾く感じがする、ドライアイの症状に似ているが点眼では改善しない、まぶしい、目をつぶってしまう、自然なまばたきができない、目を開けているのがつらい、歩いていて人や物にぶつかってしまうなどの症状があります。多くの場合に原因は不明ですが、睡眠薬や抗精神病薬などの服用が原因になったり、ストレスが悪化につながることもあります。
診断は、症状やまばたきをリズミカルにすることができるかを確認する瞬目テストなどから行います。

③と④は、50~70歳代の中高年の女性に多くみられ、ゆっくりと進行していきます。
これらの症状を改善する治療には、ボツリヌス療法があります。これはボツリヌス毒素(ボトックス®)を眼の周囲に注射することで、過剰な筋収縮を抑える治療です。70%以上の患者さんで症状の改善が得られます。
全身の副作用はほとんどありませんが、効きすぎると目が閉じることができずに目が乾いたり、まぶたが下がったりすることがあります。しばらくすると麻痺は改善してきて、その症状は次第に良くなってきますので、過剰に心配しないでください。
また高価な薬ですので、3割負担でも14,000円程度が必要で、注射後3カ月程度は効果が持続しますが、再発も多くその後も定期的な再注射が必要となります。講習を受けた医師のいる施設で治療が受けられます。それ以外に内服や手術が行われる事もあります。

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