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大腸がん検診のすすめ

2022年8月18日放送2022年8月25日放送

2022年8月18日放送

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2022年8月25日放送

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2022年8月18日放送(放送内容 資料はこちら

横浜市で現在、行われているがん検診は胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、乳がん、子宮がんの7つになります。今回はこのなかで大腸がん検診についてお話したいと思います。
2018年のがん罹患数で、最も頻度の高かったがんは、男性では前立腺がん、女性では乳がんであり、大腸がんは男性では第3位、女性では第2位でした。一方、死亡数となると男性では1位が肺がん。大腸がんは3位となっています。女性では罹患数1位の乳がんが4位となり、大腸がんが第1位になります。

生涯に何らかのがんになる確率が日本人の2人に1人と言われています。
大腸がんは男性が10人にひとり、女性では13人にひとりという結果が2018年の国のデータベースから示されており男女ともとても多いことがわかります。

大腸がんの死亡率を減少させることが科学的に認められ、大腸がん検診として推奨できる方法は便潜血検査です。二日分の便を採取して、便に血液が含まれているかを調べる方法です。がんやポリープなどの大腸疾患があると便の移動に伴って擦れて出血を起こすことがあり、全く負担なく、簡単にできる検査なのです。

大腸がん検診について日本対がん協会のデータをみると受診者数253万7532人中、6.0%で便潜血反応が陽性。便潜血陽性のために要精密検査とされた方の68.7%が二次検診を受診。大腸がんは4,400人(全検診受診者の0.17%)に大腸がんが指摘されました。

便潜血反応は広く自治体が推奨する検査法であり、40歳以上の横浜市民においては従来の負担額600円を無料として、ぜひ受けてもらいたい検査となっています。
よくある質問の一つに、1日分で大丈夫ですかと問われることがありますが、毎回病変から出血するわけではなく、2日分を採取することで、より精度が上がります。また便潜血反応によるがん検診の臨床研究では、毎年検診を行うことで大腸がん死亡が60%減少した報告もあります。
是非毎年、行っていただくことをお勧めします。

2022年8月25日放送(放送内容 資料はこちら

前回は、大腸がんが女性のがん死亡原因の1位、男性でも肺がん、胃がんと並びほぼ同数である第3位であること。がん検診として行われている便潜血反応を調べることでがん死亡率が低下することについてお話しました。

便潜血反応が陽性であった場合には、大腸内視鏡検査、注腸X線検査のどちらかが一般的に行われます。注腸X線検査は、肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮影する検査です。がんやポリープなどの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかります。

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入して大腸を詳細に調べることができます。ポリープ等の病変が見つかれば、悪性か良性かを調べるために病変の一部を採取して、調べることができます。

大腸内視鏡検査では検査前の前準備、大腸前処置が大変と聞かれます。一般的には2リットル、1リットルの腸管洗浄液を使用しますが、錠剤による前準備など新しい方法も登場しました。患者さんそれぞれにあった前処置が選択できるようになりました。

苦しくないですか?痛くないですか?という質問も多いですね。大腸への挿入は、当初熟練した内視鏡医の技術をもってしかできないとも言われた時代がありました。しかし、挿入技術法の進歩、鎮痛剤、鎮静剤の進歩さらに優秀な内視鏡医の育成により不安なく受けることができる検査法となりました。

また現在では病気のある場所に、特殊な光をあて、さらに表面を拡大して観察をすることで、組織検査と同じ精度の診断が可能となりました。切除することも早期大腸がんであれば可能となり、従来開腹して行った手術をうけることなくがん治療をおこなうことができるようになりました。

大腸内視鏡検査はとても受けやすい検査になってきました。ぜひ行っていただきたいですね。

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