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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

みみあかの話/鼻みず、鼻づまりの話

2022年9月1日放送2022年9月8日放送

2022年9月1日放送

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2022年9月8日放送

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みみあかの話(放送内容 資料はこちら

みみあかは、医学用語では 耳垢じこうといい、外耳道の皮膚の角質が剥がれ落ちたものです。顔や手足、体の角質は上に向かって剥がれ落ちますが、外耳道では鼓膜側から耳の入り口に向かって流れ出るような仕組みがあります。
耳の入り口1/3ほどで剥がれ、耳垢となります。耳垢には乾燥したタイプと粘っこいタイプがあり、日本人は乾燥したタイプが80%です。

耳掃除はどの様にすれば良いかというと、毎日お風呂上りに綿棒で掃除する必要はありません。むしろ綿棒の太さでは、入り口に出てきた耳垢を奥に押し込んでしまいます。湿って柔らかくなった耳垢や、粘っこい耳垢の場合、自分の耳の穴の形をした耳栓をつくってしまう事になります。
そのため、異物感が強い時は理想は耳鼻咽喉科診療所で診てもらいたいのですが、出来ない場合は、お家でご家族に耳の中を見てもらいながら掃除してもらってください。他の人がぶつかってこないように注意し、明るいところで、入り口にある耳垢を耳かきで優しく掻き出してください。

耳のかゆみは、ある程度誰でも経験する事ですが、かゆいからと言っていじりすぎると傷ができます。とくに外耳道の入り口から1/3程の所に出っ張りとして感じられるところがあり、傷つきやすい場所です。傷がつくとかさぶたができ、かゆみが治らず、またいじって傷が治らないことになります。

多少耳垢があっても耳が聞こえなくなることはありません。むしろ自分で耳掃除をしすぎると耳垢を押し込んで耳栓の様になり聞こえにくくなります。それよりもいじりすぎて傷ができ、バイ菌による感染症を起こす方が怖いです。
ひどいかゆみが続く、耳が痛い、耳から汁が出て枕が汚れる、聞こえにくい、などの症状がある時は、耳鼻咽喉科診療所に相談しましょう。
またかゆみ止めのお薬の中には、バイ菌に対する抵抗力を弱めてしまうものがあるので、良くならない時は注意しましょう。

はなみず、はなづまりの話(放送内容 資料はこちら

鼻は空気の通り道ですので、気管支や肺に行く空気を調整したり、空気中のにおいを感じたりする働きがあります。
冷たくて乾燥した空気は、気管支や肺にとって負担となります。
また空気中にはホコリ、バイ菌、花粉、排気ガスなどの異物が含まれます。鼻は、吸い込んだ空気の温度調節や加湿、空気清浄機の働きがあります。

空気を調整するメカニズムは、24時間絶えず鼻水を分泌する事が主体となっています。
鼻から吸い込んだ空気に鼻水が蒸発する事で、体温に近い温度になり、加湿されます。鼻水が効率よく蒸発するためには、粘膜と空気とが接する面積が大きくなればなりません。そのため、鼻の中はフィルターの様に複雑な構造をしています。逆に鼻の中がすっからかんでは、吸い込んだ空気がそのまま気管支や肺に入ってしまいます。
複雑であるがゆえに、ちょっとしたことで鼻詰まりを感じます。

鼻水の1日量は2~4L、そのうち500~700mLが蒸発します。蒸発するのはサラサラな成分で、残りの鼻水は粘っこく、異物をからめ取ります。
異物をからめ取った鼻水は、粘膜表面にある繊毛の働きで、鼻の後ろに運ばれ、のどに降りてきて唾液と共に飲み込んで、胃酸などで消化されます。つまり、1日に1L以上鼻水を飲み込んでいます。これは生理的な後鼻漏として、鼻とのどの境目に自覚出来ます。

冷たくて乾燥した空気が入ってくると、鼻は張り切って役割を果たそうとします。鼻水が増え、鼻詰まりを起こして空気を素通りさせません。気管支や肺にとって、鼻は味方です。
しかし、鼻詰まりは非常に苦しいため、我々にとっては治したい症状です。温度や湿度を調整し、鼻に負担のかからない空気にすることも改善策のひとつです。
なお、鼻詰まりを改善させるお薬は、使いすぎると効かなくなってくるものがあり、注意が必要です。

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