ラジオ番組 みんなの健康ラジオ
2023年12月7日放送(放送内容 資料はこちら)
皆さん、日頃から運動をしていますか?
運動中にも起こることがありますが、突然に人が倒れたら、皆さんはどのようにしますか?
そのような状況になったときには、まず、周囲の安全を確認します。道路上であれば、安全な場所に移動します。倒れた人を上を向いている姿勢にします。
次に、反応があるか確認します。
これは、「大丈夫ですか?」と問いかけたり、お名前を呼ぶなどで、言葉が出るか、何らかの仕草があるか確認します。あれば反応があるとなります。
反応がなければ、周囲の人に2つのお願いをします。「AEDを持ってきてください」と「救急車を呼んでください。」の2つの依頼です。スポーツ施設や公共の施設では、職員の方に連絡をすることも重要です。
次に、正常な呼吸をしているか確認します。
正常な呼吸といっても、よくわからないと言われてしまうことが多いです。正常な呼吸は胸がしっかりと上がってるか、お腹が規則的に動いているかで判断します。下顎を突き出しているような呼吸は正常な呼吸ではないです。
正常な呼吸がないときには、心臓マッサージと言われる、胸骨圧迫を始めましょう。反応がなくて、しっかりとした呼吸がないと思ったら胸骨圧迫の開始です。
胸骨圧迫は、胸の真ん中を押します。胸をたたくと平らの骨がありますが、これを押します。
押すときの3つのポイントは、1つ両手を合わせて、2つ肘を伸ばして、3つ手のひらの付け根で押すことです。
胸骨圧迫の3つのポイントは強く、速く、絶え間なくです。
強さは5cm胸が沈む強さです。結構な力が必要です。
速くは、押すリズムで、一分間に100から120回の回数で押します。強く押したら、胸が元に戻るように力を抜いてください。
絶え間なくは、続けて行うことです。もし、倒れた人が痛がるようなら、やめて反応を確認してください。必要があれば、服を脱がせてください。
心停止の場合には、何もしないことが生存の可能性を一番下げます。倒れた人に、何もしないと生存の可能性がどんどん減っていきます。
2023年12月14日放送(放送内容 資料はこちら)
前回、胸骨圧迫までのお話をしましたが、今回は、依頼したAEDが届いたところからです。
AEDが届いたら、まず、電源を入れます。製造会社によって異なりますが、AEDを見ると操作方法は図示されています。電源を入れる方法は、ふたを開ける、パッドを引き出す、電源ボタンを入れるなどの方法があります。
電源を入れると、AEDが音声説明を始めます。「パッドを胸に貼ってください。」などの説明をしますので、これに従ってください。
このパッドを貼るには服を脱がせる必要があります。パッドは手のひらくらいの大きさの粘着性のあるシールみたいなシートです。コードで本体と繋がっています。パッドの剥離紙を剥がし、粘着性のシートを貼り付けます。
パッドは二枚あり、一枚は右の鎖骨の下に貼り付けます。もう一枚は左の脇の下に貼り付けます。二枚のパッドで心臓を挟み込むように貼り付けることが理想的です。
パッドの貼り付けが終わると、AEDが心電図の解析を始めます。
AEDが「胸骨圧迫を開始してください」というまでは、倒れた人に触ってはいけません。
電気を流す必要があれば、充電を開始し、「放電ボタンを押してください」と音声が流れ、必要なボタンが点滅するものもあります。新しいタイプのものは自動で放電をするタイプのものもあります。
心臓に電気を流す必要がない時と放電が終了した後には、AEDが「胸骨圧迫を再開してください」と説明しますので、胸骨圧迫を再開してください。
二分後に、再びAEDが心電図の解析をするために、音声が流れますので従ってください。
横浜市では、119番通報から現場の到着まで、11.8分かかってます。心肺停止だった場合、10分何もしてもらえないと蘇生の可能性は0に近くなってしまいます。必要な方が、救急車を利用することを心掛けることも重要です。さらに、人が倒れた現場で、居合わせた皆さんが協力してお互いに助け合うことが重要です。特にスポーツの現場では、迅速な処置により、良好な結果が得られています。
消防署の講習会や日本赤十字の講習会などを利用して、心肺蘇生を練習してみてください。