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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

子宮頸がんHPV単独検診

2025年1月16日放送2025年1月23日放送

2025年1月16日放送

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2025年1月23日放送

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2025年1月16日放送(放送内容 資料はこちら

子宮に発生するがんは子宮頸がんと子宮体がんに分かれます。
子宮頸がんは子宮体がんと比べて若年者に多いがんであり、発症のピークは30歳代後半です。年間約11,000人が子宮頸がんと診断され、約3,000人が亡くなっています。

子宮頸がんのほとんどはヒトパピローマウィルス(以下HPV)が性行為によって子宮頸部に感染し、感染が持続することが原因です。よって、性行為を開始する前にHPV感染を予防するワクチンを接種すれば子宮頸がんは防ぐことができます。

性行為の経験が一度でもあれば、HPVに感染することはめずらしいことではありません。ただしほとんどの場合HPVは自然免疫の作用によって排除されます。しかし一部の人は子宮頸部にHPVの感染が持続して異形成という前がん病変が発生します。この異形成の段階では自然治癒することもあります。しかし、一部の異形成は進展し子宮頸がんが発生します。子宮頸がん検診の目的は、子宮頸がんが発生する前に異常を発見してがんに進展する前に治療することです。

従来の子宮頸がん検診は細胞診を用いて子宮頸部異形成を見つけることを目的としていました。しかし近年一部の自治体で一定の年齢の女性を対象に子宮頸部に細胞診の異常が出るより前のHPV感染の有無を調べる検診方法が実施されるようになりました。これがHPV単独検診です。

HPV単独検診により子宮頸部細胞診異常が出るより早い段階から子宮頸がんになる可能性のある人を見つけて経過観察することができるようになりました。また、それと同時にHPV感染がなく子宮頸がんになる可能性が低い方は安心して検診間隔をあけることができるようになりました。

2025年1月23日放送(放送内容 資料はこちら

HPV単独検診の実際について説明します。
HPV単独検診の対象となるのは30歳から60歳の子宮を有する性交渉の経験がある方です。子宮筋腫等の病気のために子宮を摘出した方は子宮頸がん検診は不要です。ただし、子宮頸部を残す形で子宮を摘出する特殊な手術もあるので、自分が術後子宮頸がん検診が必要なのかどうか、手術を担当した医師に確認してください。

また子宮頸がんや子宮頸部異形成のために治療を受けた方は子宮頸がん検診の対象外です。必要なフォローアップ検査については治療を受けた医療機関で確認してください。子宮を残す形で治療が完了した場合、子宮頸がん検診を受けるように指示されることもあります。HPVは性交渉によって感染するウィルスなので、性交渉の経験が1度もない方は検診の必要性は低いと考えられます。

HPV検査の検体採取方法は従来の細胞診検診と同じです。医師が腟鏡という器具を用いて腟の奥にある子宮頸部を視診で確認し、プラスチック製のブラシで表面をこすります。
検査の結果HPVが陰性の場合、次の検診は5年後になります。HPVが陽性だった場合、HPV検査のときに採取した検体をそのまま使ってすぐに細胞診検査を実施します。細胞診で異常がない場合は1年後にHPVの再検査を実施します。細胞の異常が認められた場合にはすぐに精密検査を実施します。

1年後の再検査でHPV検査が陰性だった場合は、検診は5年後に実施すればよいことになります。1年後の再検査で再度HPVが陽性だった場合も細胞診を実施します。1年ごとのHPV検査はHPV陰性が確認されるまで毎年実施します。20歳から29歳の方、61歳以上の方は従来通りの子宮頸部細胞診による検診を実施します。

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