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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

こどもの睡眠と生活リズム

2025年4月10日放送2025年4月17日放送

2025年4月10日放送

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2025年4月17日放送

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2025年4月10日放送(放送内容 資料はこちら

子どもの睡眠の基本的な特徴と発達について

皆さん、こんにちは。昭和医科大学横浜市北部病院の池田裕一です。本日は「こどもの睡眠と生活リズム」についてお話しします。

まず、子どもの睡眠の特徴について見ていきましょう。生後間もない赤ちゃんは昼夜の区別なく眠りますが、4ヶ月頃になると夜間の睡眠パターンが形成され始め、次第に夜にまとまって眠れるようになります。

発達段階による睡眠の変化を見ますと、1歳から3歳頃は深い睡眠が増えてくる段階で、それにつれてお昼寝の回数が減少します。6歳以降になると成人と同じような睡眠リズムに近づきます。午睡については、6ヶ月以降は約2時間程度を目安とし、15時以降の昼寝は避けることをお勧めします。研究によると、昼寝時間が長いほど、また終了時刻が遅いほど、夜の睡眠時間が短くなる傾向があるとされています。

米国睡眠財団では、推奨される睡眠時間として、新生児期は14-17時間、乳児期は12-15時間、幼児期は11-14時間とされています。ただし、これはあくまでも目安であり、個人差があることにも留意が必要です。

睡眠の重要性は、学習面でも明らかです。広島県の調査では、睡眠時間が長いほどテスト成績が良い傾向が示されています。また、睡眠が、記憶を司る大脳の海馬という場所の発達にも大きく影響することが研究で分かっています。

さらに、睡眠は子どもの身長の成長にも関係があります。成長ホルモンは、眠り始めてから1-3時間がピークとなります。質の良い睡眠を取ることが大切であり、就寝時刻よりも睡眠の質が重要です。「22時から2時が成長ホルモンの分泌時間」という説は誤りで、重要なのは睡眠の質なのです。

1回目は以上となります。次回は、具体的な寝かしつけの方法や、睡眠トラブルへの対処法についてお話しします。

2025年4月17日放送(放送内容 資料はこちら

実践的な寝かしつけ方法と睡眠の問題への対処

皆さん、こんにちは。昭和医科大学横浜市北部病院の池田裕一です。前回に続き、今回は具体的な寝かしつけの方法と、よくある睡眠の問題への対処についてお話しします。

まず、寝かしつけの基本は、一貫した就寝儀式を確立することです。「おやすみなさい」の挨拶や、穏やかな雰囲気づくりを大切にしましょう。具体的な方法としては、例えば、歯を磨いて、パジャマに着替えてから、ぬいぐるみにおやすみなさいして、その後電気を消して、お布団に入る、などが効果的です。お風呂の時間も重要で、38〜40度のお湯に10〜15分浸かることで、深部体温が上昇し、睡眠を促進する効果があります。

夜の睡眠環境づくりも重要です。寝る30分前には部屋の照度を落とし、間接照明を活用しましょう。スマートフォンの使用は、コーヒー2杯分の覚醒効果があるとされ、寝つきを妨げるため注意が必要です。特に、白色LEDには青色光が多く含まれており、体内時計に強い影響を与えるため、就寝前は使用を控えることが望ましいです。

よくある課題として、「夜中に何度も起きる」場合は寝室の環境を見直して、「寝つきが悪い」場合は、就寝・起床時間を一定にすることが重要です。早寝が難しければ、規則正しい遅寝遅起きでも問題ありません。不規則な睡眠が最も悪影響を及ぼします。

また、パパの役割も重要です。子どもは本能的に安全な環境を求めるため、定期的にパパが寝かしつけを行うことで安心感を得られます。週に数回でも継続することが大切です。
さらに、家庭でできる睡眠衛生の工夫としては、夜の光暴露を減らすこと、これには夕方以降の動画視聴やゲームを控えること。さらに朝にしっかり日光を浴びることが挙げられます。就寝前のリラックスタイムを設けることも効果的です。
子どもの睡眠は一朝一夕に改善するものではありません。焦らず、家族全体で協力しながら取り組んでいきましょう。

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