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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

便秘って何?ー現代人の悩みと向き合う/腸活で体も心も元気に!-腸内フローラの魅力

2025年8月28日放送2025年9月4日放送

2025年8月28日放送

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2025年9月4日放送

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便秘って何?ー現代人の悩みと向き合う(放送内容 資料はこちら

みなさん、こんにちは。今日は多くの人が一度は経験する「便秘」について、身近な視点からお話ししたいと思います。

便秘とは、排便の回数が少なかったり、排便時に不快を感じたりする状態を指します。日本人の約2割が慢性的な便秘に悩んでいると言われ、とくに女性や高齢者に多く見られます。でも、「お腹が張るだけだから放っておいてもいい」と考えるのは危険です。

便秘が続くと腸内に老廃物が溜まり、肌荒れや口臭の原因になることも。さらには、腸内環境の悪化によって免疫力が低下し、体調全体に影響を及ぼす可能性もあります。便秘と侮って実は大腸がんだった、なんてこともあるかもしれません。

原因はさまざまです。水分不足、食物繊維の摂取不足、ストレス、運動不足などが主なものですが、薬の副作用や病気が関与するケースもあります。特にストレスによる「機能性便秘」は、現代社会の特徴かもしれません。
「機能性便秘」とは、大腸がんなどの器質的な異常がないにも関わらず、排便回数が減ったり、排便に困難を伴ったりする便秘のことです。便秘の多くがこの機能性便秘に該当し、排便回数が減るような大腸の動きの異常や、直腸や肛門の動きの異常が出て排便困難となることが原因となります。
大腸の蠕動運動が低下すると便の水分が過剰に吸収され固い便になりますし、大腸の運動が過度に緊張してしまうと便をうまく運ぶことができずに便秘と下痢を繰り返すようなことも起きます。また便が直腸に達しても排便反射が起きずに腸に停滞してしまうタイプもあります。

便秘を改善するには、まず生活習慣の見直しが第一歩です。
朝食をとる、こまめに水分をとる、意識的に身体を動かすなど、簡単なことから始めてみましょう。排便はできれば毎日、決まった時間に試みることも効果的です。もちろん、定期的な検診も大事です。
横浜市では、40歳以上の方は大腸がん検診が無料で受けられますのでご活用ください。

次回は、この便秘の改善に役立つ「腸活」について、詳しくご紹介します。腸内環境を整えることで、驚くほど体が軽く感じることもありますよ。
それでは、次回もどうぞお楽しみに。

腸活で体も心も元気に!-腸内フローラの魅力(放送内容 資料はこちら

こんにちは、前回は便秘についてお話ししましたが、今日はその予防と改善に役立つ「腸活」についてご紹介します。

腸活とは、腸内環境を整えるための生活習慣を意識的に行うこと。キーワードは「腸内フローラ」、つまり腸内に存在する細菌のバランスです。善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種があり、これらがバランスよく存在することが理想とされています。

では、どうやって腸内環境を整えるのでしょうか。
まず注目したいのが食事。プロバイオティクスと呼ばれる生きた菌そのものを摂取すること、例えば発酵食品です。ヨーグルト、納豆、漬物、そして野菜や海藻類を組み合わせて食べるのがオススメです。またプレバイオティクスとよばれる菌を育てるための栄養素、つまり食物繊維やオリゴ糖などを積極的にとることが効果的です。
プレバイオティクス・プロバイオティクス両方を効率よく摂取できるシンバイオティクスが重要と言われています。

次に大事なのが、規則正しい生活。寝不足や不規則な食事は腸内のリズムを乱します。
また、ストレスも腸内環境に影響するため、リラックスできる時間や趣味を持つことも腸活の一環と言えるでしょう。

最近では、腸と脳がつながっている「腸脳相関」という考え方も注目されています。
「腸脳相関」とは、脳と腸がお互いに影響し合う現象のことです。脳からのシグナルが腸の機能に影響を与え、逆に腸の状態が脳の働きに影響を与えると考えられています。この相互作用は、自律神経系、ホルモン、神経伝達物質、免疫などを介して行われます。
近年では、腸内細菌叢が脳の機能に影響を与えることも明らかになり、「脳-腸-腸内細菌軸」という概念も提唱されています。腸内環境が整うことで、気分が安定し、集中力も高まるとの報告があるのです。まさに、腸は“第二の脳”とも呼ばれる存在です。

便秘を含むさまざまな不調は、腸の元気がなくなることから始まるとも言えます。無理なく続けられる腸活で、体も心も健やかに過ごしましょう。

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