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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

正しく知ろう、糖尿病

2019年7月11日放送2019年7月18日放送

2019年7月11日放送

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2019年7月18日放送

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糖尿病の基礎知識(放送内容 資料はこちら

日本では現在「糖尿病が強く疑われる」人の数が1000万人に達しています。
糖尿病にもいくつかの種類がありますが、成人の場合はほとんどが2型糖尿病です。
2型糖尿病になる原因は、第一に遺伝的に血糖値があがりやすい体質をもっていること。第二に食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなどの環境要因。そして第三に加齢、すなわち体の老化。これらが重なり合って発症すると考えられています。

糖尿病の症状としては、のどが渇く、尿の量が増える、体重が減る、全身がだるい、などがありますが、これらは血糖値がかなり高くなり病気が進行した段階になって初めて出てきます。最初のうちは何の症状もありません。
したがって、定期的に血液や尿の検査を受けること、そしてもし検査で異常が出たら、放置しないですぐに医療機関を受診することが重要です。
また糖尿病と診断された場合には、症状がなくても決して自分の判断で通院を中断しないようお願いしたいと思います。

糖尿病の状態を判断するには、HbA1cという数値が使われます。これは過去1ヶ月から2ヶ月間の血糖値の平均をあらわすもので、6.5%以上ですと糖尿病の可能性がきわめて高くなります。
一般には7.0%未満を目指して治療しますが、年齢や全身の状態、また使っている薬の種類によって目標値が違いますので、かかりつけ医とよく相談してください。

糖尿病は放置すると目、腎臓、心臓などに多くの合併症をおこし、歯周病や骨粗鬆症も悪化させます。認知症を発症しやすくなることもわかっています。
早期から適切な治療を行うことで、これらの合併症を防ぎ、元気に長生きしていただくことが糖尿病治療の目的であり、私たち医療者の願いです。

糖尿病の治療(放送内容 資料はこちら

糖尿病の治療は、食事、運動、薬の3本柱で成り立ちます。

食事療法というと、カロリー制限のイメージが強いかもしれませんが、最近ではむしろ必要な栄養素をしっかり摂取することの重要性が注目されています。
お米、パン、麺などの炭水化物だけで食事を済ませず、肉や魚などの蛋白質や野菜類を十分に摂りましょう。
運動は歩くだけでなく、簡単な筋肉トレーニング等もあわせて行うと、体力がつき血糖値も改善しやすくなります。
体に良いものをおいしく食べてしっかり運動することが、糖尿病治療の基本であり、また糖尿病を予防する方法でもあります。

次に薬物療法です。糖尿病の薬には沢山の種類があり、いくつかを組み合わせて使う場合もあります。
薬を選ぶときには、病状だけでなく患者さんの生活習慣や生活リズムなども重要な判断材料になりますので、かかりつけ医とよく話し合って治療法を決めることが大切です。

薬を使う場合に注意したいのが、低血糖という副作用です。
低血糖とは血糖値がだいたい70以下になった状態で、強い空腹感や手のふるえ、冷汗、動悸などの症状が出ます。放置すると意識がなくなる場合もあるので、すぐにブドウ糖やジュースなどを摂取して血糖値を回復させます。
薬の種類によって低血糖が起こりやすいものもありますし、風邪などで食事がとれないときに起きることもあります。
かかりつけ医と普段からよく相談して、低血糖を起こさないように、またもし起きてしまっても落ちついて対処できるようにしておきましょう。

糖尿病の予防と治療には、正しい知識と健康的な生活習慣が何よりも役立ちます。
ぜひご自分の体と心を良い状態に保ち、いきいきと元気に生活していただきたいと思います。

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