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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

肺がんに対する手術療法

2021年4月15日放送2021年4月22日放送

2021年4月15日放送

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2021年4月22日放送

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4月15日放送内容(放送内容 資料はこちら

生涯でがんに罹患する確率は、男性で60%、女性では50%といわれていて、場合により死につながりかねないため、誰でも注意しなければいけない病気です。

肺がんはがんの中でも頻度が高く、増加傾向であり、罹患率では男性で第4位、女性で第3位です。さらに特徴的なことは、死亡率が高く、男性で1位、女性でも2位と危険な病気です。

肺がんにならないための1番の予防は禁煙です。喫煙しない人たちと比べると肺がんのリスクは5倍増加といわれています。他疾患にもかかりやすくなるので喫煙はしないようにしましょう。
また、喫煙している人も禁煙すれば10年でリスクは半分に減らせます。ぜひ禁煙おねがいします。受動喫煙にもぜひ注意していただいて、タバコの煙があるところは避けましょう。

タバコだけではなく、大気中の粉塵、たとえばPM2.5やアスベストなども肺がんになるリスクを高めます。仕事に絡む場合も多いと思うので、産業医や労働衛生担当者ともよく確認・相談したほうがよいと思います。

あと、食事では豆腐や納豆などの大豆食品にふくまれるリボフラビンや緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンCが肺がん予防に良いと研究結果がでています。もちろんとりすぎは良くないので適度に摂取しましょう。

肺がんは早期発見・早期診断が大切です。肺がんは40代から増加しはじめ、高齢なるにつれ急増していきます。肺がんは症状が出ないことが多いため、ぜひ40代からの胸部レントゲンでの肺がん検診を受けるようにしましょう。
喫煙歴ある方は精密検査となる胸部CT検査もとても有用ですので、定期的に受けるとよいと思います。

4月22日放送内容(放送内容 資料はこちら

肺がんの治療は多くのがんと同じように、全身化学療法、放射線治療、手術療法の3本立てです。

肺がんの治療選択は肺がんの状態や進行度などで決まります。
まず一つは、細胞レベルで小細胞肺がんか非小細胞肺がんかで治療法が分かれます。
次に進行度で、大きさやリンパ節に転移有無、他の臓器に転移しているかできまります。これらの状態でⅠ期からⅣ期と分かれ、治療方針が決まります。

肺がんに対する手術療法は胸の中にとどまり、取り切れる状態、主にⅠ、Ⅱ期の時に行われます。
肺がんの標準手術は肺葉切除といって、右の肺は3つにわかれているので、3分の1なくなります。そして関連するリンパ節群を切除します。

問題は切除した分だけ必ず肺の機能は落ちます。
健常人であれば、術後、日常生活は維持されますが、激しい運動などでは制限される場合もあります。もともとの肺の機能が悪い方は、術後の生活維持するために、切除する量を少なくした区域切除や部分切除となる場合があります。主治医とよく相談して決めることが大切です。

手術でのアプローチは、昔ながらの20㎝程切って行う開胸手術は少なくなり、胸腔鏡手術が主流です。3~4か所の小さな傷で行います。肺がんの存在部位や状態で選択していきます。

胸腔鏡手術の利点は、術後の痛みが少なく、入院期間も1週間程度で退院後すぐ社会生活に復帰できる場合が多いです。手術成績は開胸と胸腔鏡手術の差はありあせんので、安心して受けていただきたいと思います。

肺がんの手術の成績は年々向上していて、比較的早期であれば80~90%の治癒が得られてきています。
ぜひ早期に発見し、早期に治療していただきたいと思います。

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