会員専用ページ会員専用ページのご案内
文字の大きさ

ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

不整脈の伝え方

2021年9月30日放送2021年10月7日放送

2021年9月30日放送

閉じる

2021年10月7日放送

閉じる

その1 心房細動を例に(放送内容 資料はこちら

「不整脈」についてお話します。今回は総論。次回は具体例「心房細動」をお話しようと思います。

現在不整脈はふえているそうです。高齢化と生活習慣病の増加が原因といわれています。不整脈は、正常の脈の範囲(概ね50-100程度)より速かったり遅かったりすること、乱れたりすることと定義されます。

すべての不整脈が命に関るような怖い物ではありません。自覚なくても健康な人にも起こっています。実はほとんどが問題なく、ごく一部の不整脈だけが対処が必要です。それを医師にご相談ください。「その不整脈が危険かどうか」「対処が必要かどうか」を明らかにしておくことが大切です。

では、脈の不整を自覚した時どのように医師に伝えるか?擬音で訴えていただくと医師もイメージしやすい。例えば、「ドキドキドキッ」と短く続いたとか、「ドキン ドキン ドキン」と1つずつ独立して起こるとか訴えていただくと、我々は不整脈の種類を思い浮かべながら絞ってゆくことができる。ぜひ試していただきたいです。

自覚症状だけでなく客観的な証拠を提示するとわかりやすいです。
無症状でも種々の測定器具でわかることもあります。新しい家庭血圧計なら「不整脈の疑い」と知らせてくれる機種もあるようです。スマホのアプリでも脈を計測するものがあり役に立ちます。スマートウォッチでは常時脈を測定して不整脈の可能性があることを教えてくれます。古い家庭血圧計でも、いつもと明らかに異なる脈は不整脈が現に起こっている可能性があります。いつもはスムーズに血圧測定してくれるのに今朝は何回繰り返してもできない場合不整脈のためかもしれません。

治療をするためには診断が必要です。医師に上手に症状を伝えることが大切です。

その2 心房細動を例に(放送内容 資料はこちら

今回は具体例として「心房細動」をお話してみようと思います。

心房細動は、心房のあちこちで電気刺激が回転し心房が震えるように動きます。その一部は必ず心室に伝わるため心臓そのものが動かなくなったりすることはありません。しかし、心拍数が通常より早すぎたり遅すぎ、心不全や動悸の原因となったり、不十分な動きのため心房内に血の塊ができてしまい脳梗塞の原因になることがあります。

心房細動も増えています。2003年の統計では、全人口比では0.6%ですが、80才以上では、男性4.43%、女性2.19%という頻度で、加齢や心臓弁膜症などの心臓病、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病、ストレスや不眠、過労、アルコール多飲などが原因で増加していると言われています。

症状は、動悸、息切れ、胸の違和感など様々ですが自覚がないことも多いです。しかし、もし症状があればぜひ医師に上手に伝えてほしいのです。「ドキドキドキン ドキンドキン ドキッ」というような不規則な感じです。擬音で伝えていただくと医師の頭の中には心房細動の可能性が浮かぶはずです。

無症状でも測定器具がきっかけでわかることもあります。「家庭血圧を測っていたら今朝は脈がいつもの倍あった」とか、「スマートウオッチで不整脈の疑いあり」と表示されたなど経験しました。

検査はまず12誘導心電図をします。見つからない場合、24時間装着するホルター心電図や症状出現時自分で記録する携帯型発作時心電図、その他あらゆる手段で不整脈を捕まえます。

治療で重要なのは合併症である脳梗塞を防ぐために血液をサラサラにする薬を内服するのがあることです。

どうか不整脈を上手に伝えてください。

みんなの健康ラジオ 放送一覧へ戻る