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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

親とこどもの良い関係を育てるには?

2021年11月25日放送2021年12月2日放送

2021年11月25日放送

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2021年12月2日放送

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11月25日放送内容(放送内容 資料はこちら

コロナ禍が終息しない中で、子どもたちの家庭外での活動は大きく制限され続けています。
心と体を健全に育む環境が子どもたちにとっては常に不可欠であり、現在の社会状況が子どもたちへ与える影響は非常に懸念されるところです。

特に家庭の中で様々なストレスを家族がため込んでしまうことはできる限り避けなければなりません。ただでさえ子育ては思う通りにならないストレスの多い役割ですので、ぜひうまく乗り切り、親子の良い関係を育める大事なコツを多くのお父さん・お母さんに知ってもらいたいと思います。

小さいお子さんを育てているお母さんなどからよく聞かれるのは「いうことをちっとも聞かない」「すぐにかんしゃくを起こしてなかなかおさまらない」などの相談です。就学前の子どもにはよくあることで、多くの場合心配はないのですが、親御さんたちがうまく対応できていないこともしばしばです。

まず第一に子どもの発達段階にあわせた対応ができていない場合があります。
子どもが「自分の気持ちをうまく言葉で伝える」「自らの欲求を我慢できる」「たたいたり噛んだり蹴ったりしないで問題を解決することができる」「行動が制限される理由や危険・安全を理解する」「状況に応じて気持ちを切り替えられる」などの力は、同じ年齢でも個々の子どもによってずいぶん違いますし、月単位で変化していくものです。
子どもが十分理解できないような指示の出し方をして「いうことを聞かない」と怒鳴ったり罰を与えたりすると、子どもはかえって混乱し、もっと指示に従えなくなってしまいます。

子どもに期待することはわかりやく、現実的なものにすることが重要です。また指示は否定的ではなく肯定的に、具体的に、小さな選択権を与えてあげると効果的です。「早くお片付けしないとだめよ」ではなく、「この箱かあの箱におもちゃを入れられるといいね。」というような感じです。

12月2日放送内容(放送内容 資料はこちら

第二に子どもの望ましくない行いにしばしばご褒美を与えてしまっていることがあります。
かんしゃくを起こしている子どもを抱いてなだめたり、お菓子で気を引いたり、結局子どもの要求をきいてしまったりすると、子どもはかんしゃくが自分にとって注目してもらえる、要求がかなえられる有効な手段だと学習してしまいます。

第三に「子どものしつけに抵抗がある」親御さんがしばしばおられます。
子どものしつけは骨の折れる仕事ですが、子どもが社会において自律した生活を送るために必要なものです。
ただ、𠮟るにしてもほめるにしても、子どもをよく観察していなければ効果を発揮しません。親がスマホばかり覗いて子どもの表情やふるまいをみていなければ、子どもを適切にほめたりしかったりはできません。子どもが善い行い、望まない行いをしたら、すぐにほめ、しかり、何が良かったか悪かったかを短い言葉で簡単に話してあげることが重要です。

しつけは子どもの善い行いをほめ、自己肯定感を高めていくことで成り立ちます。「やめなかったらぶつよ」などと脅かしたり、辱めたり、怒鳴ったり、体罰などは逆効果しかもたらしません。

2020年改正児童福祉法が施行され、子どもへの体罰は許されないものとされました。
厚生労働省は児童虐待の増加を背景に、しつけと称した体罰が子どもの権利を侵害しているとして、体罰のない社会を目指すキャンペーンを展開しています。
そもそも(テレビを見せない等の)罰をあたえることはしつけのごく一部でしかありません。特に体罰や暴言は子どもの心を傷つけ、その後の子どもの心の発達に悪い影響を与え、「落ち着いて話が聞けない、約束を守れない、集中や我慢が足りない、攻撃的になりやすい」などの傾向が高まると言われています。
子どもの気持ちをうけとめ、子どもとの信頼関係や良いコミュニケーションを築いたうえで、体罰や暴言のないしつけに努めましょう。

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