会員専用ページ会員専用ページのご案内
文字の大きさ

ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

コロナ禍における糖尿病・コロナ禍における生活習慣の心得

2022年11月10日放送2022年11月17日放送

2022年11月10日放送

閉じる

2022年11月17日放送

閉じる

コロナ禍における糖尿病(放送内容 資料はこちら

新型コロナウイルスに感染した人のうち、ほとんどの人は特別な治療を必要とせずに回復しますが、一部では重症化し、呼吸困難になります。WHOも、高齢者や基礎疾患をもつ人は、重症化する可能性が高く慎重に経過を診るように促しています。なかでも、糖尿病の方は新型コロナウイルスに限らず、気管支炎・肺炎、膀胱炎、歯周病など、さまざまな感染症になりやすく、また重症化しやすいことが知られています。

糖尿病の方が重症化しやすい理由としてはいくつかありますが、主に、血糖値が高い状態が続くと、白血球の機能が低下し、免疫力が低下することが挙げられます。白血球はウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入してきた際に、それらを食べたり、抗体を作って体から排除したりするように働きます。白血球の機能が低下する血糖値は、200~250mg/dL以上といわれています。

中国における新型コロナウイルスに感染した7,337人を対象とした調査でも、血糖コントロールの指標であるHbA1cが平均7.3%の比較的血糖値良好な人たちにおいては、生存率は糖尿病でない人たちと比べて下がらなかったと報告されています。つまり、HbA1cが7.0%~7.5%を超えてくると、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが増大する可能性が高いため、なるべく血糖値の良い状態を維持するようにするべきです。

体重の増加も重症化につながる可能性があるといわれており、やせ過ぎも良くないが、適正体重を目指してダイエットに励む必要があります。また、糖尿病だけでなく、高血圧や喫煙なども重症化のリスクとなることが知られていますので、血糖値だけでなく、血圧のコントロール、禁煙(減煙)も重要です。

コロナ禍における生活習慣の心得(放送内容 資料はこちら

2020年以降、新型コロナウイルスの流行により、糖尿病患者の生活習慣においてさまざまな悪影響を生んでいます。

まず、外出自粛によって、活動量、運動量が減り、そのため肥満の方の体重が増加することが多くなり、高齢者においては足腰などの筋力が低下して、寝たきりのリスクが増大しています。

次に、在宅で過ごす時間が増え、食べ物のまとめ買いなどの影響もあり、間食が増えたといわれています。体重増加に加えて、間食では糖質を多く摂る傾向があるため、血糖値が悪化しています。
興味深いところでは、意外と、体に良い、免疫に良いと考えて、血糖値の悪化を招くものを摂取してしまう人が多くみられました。具体的には、果物、野菜ジュース、ヨーグルト、栄養ドリンク、スポーツドリンクなどが挙げられます。これらは、非常に糖質の含有量が多いので、逆に糖尿病を悪化させてしまいます。

まとめると、新型コロナウイルスに感染しても重症化しないために、

  1. 間食などで糖質の多いものを摂ることを避ける
  2. テレビ体操やインターネットの動画などの在宅でもできる運動もうまく活用して、運動習慣をつける
  3. 体重を定期的に測るようにして、過体重の人は減らすように意識する
  4. 医療機関の受診はきちんと続けて、しかるべき治療を受ける

といったところに注目して、この流行で生活習慣が乱れ持病が悪くなることがないようにして頂きたいと思います。

みんなの健康ラジオ 放送一覧へ戻る