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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

男性更年期障害の診断と治療

2023年4月27日放送2023年5月4日放送

2023年4月27日放送

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2023年5月4日放送

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2023年4月27日放送(放送内容 資料はこちら

年を重ねるにつれて、なんだか「体調が良くない」と感じていることがありませんか?それは更年期障害かもしれません。女性に更年期障害があるのはよく知られていますが男性にも更年期障害があるのをご存知でしょうか?
男性にも更年期障害があり男性の更年期障害はLOH症候群と言われます。いったい何科に行けばよいのかわかりにくいかもしれません。まずはお近くの泌尿器科を受診してみましょう。

LOH症候群は、男性ホルモンの値が低いことにより起こる病気です。
男性ホルモンの作用は筋肉や骨を強くする、生活を支える(維持する)、性機能を保つなどさまざまな働きがあります。男性ホルモンが減少すると、不安が強くなり、やる気・記憶力・性欲が低下します。また、筋力や骨が弱くなります。

原因として、「ストレス」が大きく関わっていることが分かってきました。強いストレスが長時間続くと、男性ホルモンが減るとされています。
女性の更年期障害は閉経前後10年間に起こってくる変化であり、起こる時期も期間もある程度決まっていますが、男性の更年期障害は、40歳以降のどの年代でも起こってくることと、終わりがはっきりしておらずいつまでも続く場合があります。

症状としては身体的な症状、精神的な症状、性機能症状の3つが主な症状です。
身体的な症状としては主な体の症状は、筋力低下や関節痛、筋肉痛、異常な発汗、ほてりなどです。また「疲れがとれにくい」「何となく体がだるい」と表現される患者さんもいます。
精神的な症状としては調子が悪いといった健康感の減少、興味や意欲の喪失、眠れない、不安感、うつ症状、そして集中力や記憶力の低下などが現れます。なんとなくの不安感を感じたり、イライラして家族に当たったり、きついことを言ってしまったりすることもあります。
また、性機能症状として性欲の減退や勃起力の低下などが起こります。

2023年5月4日放送(放送内容 資料はこちら

前回は男性更年期障害とは、あるいは症状についてお話をさせていただきました。
今回は男性更年期障害の診断と治療についてです。

診断としては症状に加えて、男性ホルモンであるテストステロンを血液から調べることにより診断します。
総テストステロンが250ng/dl未満および、遊離テストステロン7.5pg/ml以下であれば男性更年期障害の可能性が高いです。また、症状に関してAMSスコアと呼ばれる質問票を記入していただき診断の補助とします。スコアが27点以上は軽度の異常、37点以上は医療機関の受診が必要な中等度以上の異常が示唆されます。
ただ注意することは、テストステロンの数値が正常であっても重度の症状が出る場合や、数値が悪くても全く問題ない場合があり、大事なのは個々の患者さんに対して対応していくことが必要となります。

男性更年期障害と診断された場合、「生活習慣の見直し」と「男性ホルモンの補充療法」を行います。
職場などのストレスのチェックや睡眠、運動や食事の習慣の改善で症状が改善することがあります。適度な運動を行うことで筋肉を動かせば、男性ホルモンの増加が期待できます。また、バランスの取れた食生活や良質な睡眠、ストレスからの開放は自律神経を整えてくれます。

男性ホルモンの補充療法は、男性ホルモンの注射を2週間から4週間に1回程度のペースで受けていただきます。注射により減少しているテストステロンを補充する方法です。また、漢方薬を処方するケースもあります。
いずれも保険適応となります。

最後になりますがホルモンの補充によって必ず改善するわけではありませんが、症状の軽減が期待できます。
そして、男性ホルモンの減少は日常生活の習慣が関係していることも多いので、生活習慣を見直すことも大切です。更年期障害ではないかと思った方は近隣の泌尿器科で相談してみましょう。

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