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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

サーファーズイヤー

2023年5月25日放送2023年6月1日放送

2023年5月25日放送

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2023年6月1日放送

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2023年5月25日放送(放送内容 資料はこちら

神奈川県は日本を代表する臨海の県です。湘南海岸にイメージされる、マリンスポーツのメッカでもあります。
その代表であるサーフィン。今は日本中で愛されるスポーツですが、サーファーの数は神奈川が日本で一番多いのではないでしょうか。夏の週末のビーチの混み方と同様に、サーフポイントのサーファーでの混み方も日本有数かもしれません。

サーフィンでは、けがやサメも心配ですが、健康被害は大きく3つあるといわれています。結構多いですか。
その3つは「①腰痛」「②視力障害」「③サーファーズイヤー」です。
腰痛は中年以降のサーファーに多く、運動不足やパドリングの無理な姿勢から起こります。視力障害は、紫外線(日焼け)と汚れた海水が原因と言われています。

今回のはテーマである、耳の病気「サーファーズイヤー」の説明をします。
サーファーズイヤーは、冷たい海水の刺激が原因で起こるものです。冬場や北の海でサーフィンをすると、冷たい海水温から鼓膜を守ろうと人間の体の防御反応が起こります。それは、耳の穴のトンネルの骨が肥厚して、耳穴を狭くして海水を入りにくくするためであるといわれています。結果、耳の中に骨のポリープのようなものが出来て耳を狭くします。

軽度では支障がありませんが、大きくなると外から鼓膜が見えにくくなります。
耳垢が取りにくい、中に入った水が出にくい、中耳炎や外耳炎になりやすいといった症状が出てきます。炎症を起こすと痛みが強く出やすいです。
そして重症になると耳穴を完全にふさいで、難聴になってしまうこともあります。
これがサーファーズイヤーです。

次回は治療法のお話をします。

2023年6月1日放送(放送内容 資料はこちら

サーファーズイヤーの原因は、冬場や冷たい海で行うマリンスポーツです。職業潜水士の方や、カヤック、ウィンドサーフィンでも発生します。サーファーに多いので1970年代からサーファーズイヤーといわれるようになりました。

まず予防法ですが、一番は冷たい海でサーフィンをしないことです。
魅力的な北の海へのサーフトリップ。しかし冒険とチャレンジは時々にしましょう。今は北海道でもサーフィンをする時代ですが、医学的にみると北海道ではぜひスキーやスノーボードを楽しんでください。
サーフィンは自然と一つになる素晴らしいスポーツです。ぜひ海との共生を感じてほしいです。

予防の2番目は、耳栓をすることです。サーフィン用の耳栓が、ネットショップで、3000円ほどで購入できます。必着です。3番目は、ダイビング用フードをかぶることです。防水防寒ウェットフードは、温かく快適にサーフィンが出来ます。こちらも安いものはネットショップで3000円くらいで売られています。

最後に、サーファーズイヤーになってしまった時の治療法です。
残念ながら手術しかありません。手術は、基本的に1泊2日で入院し、全身麻酔で行います。
耳穴の中の皮膚を切開してはがし、ポリープ状に盛り上がった骨をむき出しにして、のみとハンマーを使って削り落とす方法が代表的です。盛り上がりを削り落としたあと、はがした皮膚を戻して医療用のボンドで接着します。
手術は専門の病院をお勧めします。手術時間は1~2時間程度です。
退院した翌日から、一般事務仕事は可能ですが、肉体労働作業は4~5日後からがよいでしょう。
サーフィンは、1か月は我慢が必要なため、自分がサーフィンにあまり行かない時期に手術を予定するのがよいでしょう。手術をする医療機関が決まったら、その先生に詳細をお尋ねください。
それでは楽しいマリンライフを!

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