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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

月経不順

2020年2月20日放送2020年2月27日放送

2020年2月20日放送

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2020年2月27日放送

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2月20日放送内容(放送内容 資料はこちら

一般に使う生理という言葉は医学用語では月経といいます。月経の量や月経周期に関して自分が他の人と直接比較することができないので、自分が正常な月経を有しているのか、わからないことも多いと思われます。
そこで最初に正常な月経について述べたいと思います。
具体的には月経周期、月経持続期間、月経血量、随伴症状の4項目となります。

1. 正常な月経周期
月経周期とは月経の開始した初日から次の月経開始の前日までの期間を指します。その期間が25日以上38日以内であれば、正常な月経周期となります。月経不順では表1のように日数に応じて決まった呼び方があります。
また、3ヶ月以上月経がないことを無月経と呼びます。

2. 正常な月経の持続期間(出血している期間)
正常な月経の持続期間は3~7日間です。2日間で終わったり、8日間以上続く場合はホルモンバランスの異常だけでなく、子宮筋腫などの子宮内の器質的疾患の可能性もあります。

3. 正常な月経血量
正常な月経血量は20~140mlです。レバー状の凝血塊(血のかたまり)がでる場合や、生理用品を日中に何度も交換する場合は、月経血量が多い可能性があります。

4. 月経時におこる疼痛
月経中に腹痛や腰痛、頭痛、悪心などの症状が出現することもありますが、日常生活に支障を来さない程度であれば正常です。
また、市販の痛み止めを内服し症状が軽減するようであれば心配ありませんが、症状が軽快せず1日に何回も内服するようであれば、一度産婦人科を受診した方が良いでしょう。

以上から、自分の月経をよく知ることが大切です。
最近ではスマートフォンの月経に関するアプリが多数あります。そのようなアプリを積極的に利用して、自分の月経に関して不安なことがあればすぐに医療機関を受診しましょう。

2月27日放送内容(放送内容 資料はこちら

月経不順の原因について述べたいと思います。
月経は卵巣からのホルモン分泌によって起こります。そのため、卵巣からホルモン分泌の異常があると月経不順が引き起こされます。しかも卵巣は他の臓器から分泌されるホルモンの影響を受けるので、脳下垂体や甲状腺などの病気によっても月経不順になることもあります。
他に、急激なダイエット、肥満、ストレス、不規則な生活リズムなどでホルモンバランスが崩れて月経不順になることもあります(表2)。
以上より、月経不順の原因は様々ありますが、医療機関に受診するポイントを述べたいと思います。

1. 予定の月経が来ない場合
最初に妊娠の可能性がある場合は必ず妊娠反応を行いましょう。
毎月きちんと28日や30日型で月経がこないとすぐに異常があるというわけではありません。
1週間程度のバラツキならば心配ありませんが、普段の月経周期が30日とすると、ある月では40~50日型、別の月では20日型となるなど、月経予定日のバラツキが大きければ、ホルモンの異常が考えられます。

2. 月経が頻繁に来る場合
まず、不正性器出血の可能性もありますから、子宮がん検診を受けていないのであれば、受診するようにしてください。
月経周期が2週間毎であり、出血期間が長く続く場合はきちんと排卵されていない可能性があります。自分で気付かないまま貧血が進行することもありますので、10日間以上続く場合は早めに受診してください。

注意点として、初めて月経が来てから(初経)数年間(6~7年)は卵巣機能が未熟なため月経不順になることがあります。また卵巣機能が低下しつつある更年期(45歳から55歳)にさしかかると同じように月経不順になります。
これらは病的でないことが多く、すぐに治療せずに経過を診ていくことがあります。
しかしながら、若い年代(10歳台)のダイエットや激しい運動に伴う月経不順では投薬治療の対象になります。
また更年期の年代であれば子宮頚がんや子宮体がんなど、不正性器出血との鑑別をするため、精密検査が必要になることもあります。
そのため、ご自身で判断せずに医療機関に相談してください。

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