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ラジオ番組 みんなの健康ラジオ

腱鞘炎/腱・靭帯付着部症

2019年4月18日放送2019年4月25日放送

2019年4月18日放送

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2019年4月25日放送

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腱鞘炎(けんしょうえん)放送内容 資料はこちら

いわゆるスジを傷めるというものの一つに腱鞘炎があります。
腱とは、筋肉の両端にあって筋肉を骨に付着させる役目をしている強力な組織です。また、腱の両側を鞘のように包む組織が腱鞘で、腱と腱鞘の周りに炎症を起こしたものが腱鞘炎です。

代表的なものとしては、掌側の指の付け根が痛んで時には引っかかった感じになる「ばね指」と呼ばれるものや、手首の親指側に痛みが出る「ドケルバン病」などがあります。その他にも様々な腱の周りに痛みが起きることがあり、肩や足首の腱などにもよく起きることが知られています。

腱鞘炎にはいくつかの原因がありますが、最も多いのは使い過ぎです。最近ではスマートフォンの操作でよく指を使い腱鞘炎になる、スマホ指と呼ばれるような症状の人もよく見かけます。
従って、治療法も、まずは安静にして刺激を少なくすることが第一歩ですが、やはり仕事や日常動作で使わざるを得ないことが多く、なかなか良くなりません。その場合、腱鞘内にステロイド注射をして炎症、痛みを抑えます。
何度か注射をしても良くならない場合は手術で腱鞘を切り開くという治療法もあります。

注射や手術といった治療は誰でも抵抗があるかもしれませんが、痛みのため関節をしばらく動かさないでいると、関節が固くなってしまい後遺症が残る可能性がありますので、主治医とよく治療法を相談していただくことをお勧めします。

最後に、注意すべき腱鞘炎の原因として、関節リウマチによる腱鞘炎や、細菌感染による腱鞘炎などがあり、腱鞘炎だろうとイタズラに様子を見ていると症状が悪化してしまうものもあるので、まずは整形外科の先生に診てもらうようにしましょう。

腱・靭帯付着部症(放送内容 資料はこちら

いわゆるスジを傷めるというものの一つに腱・靱帯付着部症というものがあります。
エンテソパチーと呼ばれることもあります。
筋肉と骨をつなげるのが「腱」、骨と骨をつなげるのが「靱帯」と考えてください。身体のあらゆる場所に腱と靭帯は存在しており、それらが骨に付着する部分に牽引力や衝撃が加わり小さなキズや炎症が起きることによって痛みが起きます。

代表的な疾患として、肘の外側に痛みが出る「上腕骨外側上顆炎」、アキレス腱の付着部に痛みが出る「アキレス腱付着部症」、土踏まずの踵側に痛みが出る「足底腱膜炎」などがあります。
また、牽引力に骨が負けてしまった場合には、疲労骨折や剥離骨折になってしまうこともあります。中学生程のお子さんがスポーツで膝を使いすぎると痛くなる「オスグッド病」などもその一つと言えます。

治療法は、先週の腱鞘炎と同じく、まずは安静にして刺激を減らすことが大事です。装具やサポーターを使うこともあります。改善がない場合にはステロイド注射を行うこともあります。

腱・靱帯付着部症はレントゲンでは何も異常が見つからないことが多いのですが、近年では超音波装置の進歩により腱・靱帯の周囲の小さな変化や炎症が見えるようになってきたため、今までわからなかった痛みの原因が少しずつ解明されつつあります。腱、靱帯は身体のあらゆるところにありますので、例えばみなさんの肩、腰、股関節、膝など、あらゆる痛みの中には腱・靱帯付着部症からくる症状も隠れているかもしれません。

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